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やる夫は魔女の騎士になるようです 第14話

550 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:00:05 ID:3AV26z/2


          ──────────────────────
                ミクリヤ商会の保有する大型倉庫。
              そこには所狭しと武具が納められていた。
                    剣、槍、弓、鎧。
          武具はそれぞれ千を軽く超える数が戦を待っている。
             そして全ての武具には保存用の油が塗られ、
              職人による丁寧な手入れがなされている。
          ──────────────────────



     |                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     |                       | |二二二二二二二二二|| |二二二二二
     |  ______         | |=|≡=y=]         .|| |
     |  ||       :fニニ||          | |==================|| |==========
     |  ||     :fニニニ||          | |       .━=γ=γ .|| |
     |  ||:::   fニニニニ||          | |======/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ ̄ ̄
     |  ||   fニニニニ:::||          | |     : | |二二二二二二二二二|| |二二
     |  ||  fニニニニ||       :| |===== | |-≡≡y≡y        || |
     |_||/       ||_____| | : 口 :: | |==================|| |===
   /                           |_|ニニニニ::| |=|≡=y=]  .|| |
  /                            | |==================|| |==
/                              | |        ━=y=y=]|| |
                                | |==================|| |===
                                | | ===≡γ≡]       || |-
                                |_|二二二二二二二二二|| |二二

551 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:00:50 ID:3AV26z/2




     | |     / ̄ ̄ ̄\
     | |    /,/      \
     | |  /(● )        \
     | |. (、__)              |
     | |  \            /
     〔 ̄〕  /         ヽヽ
     <⌒ヽ__ l      l    l l
     〈    `  ‐- _/   / l    ──────────────────────
      >ー‐ ._       /   l    やる夫はその中から無造作に一本の剣を手に取った。
.     〈 二)し' l ` ー一 '    l             鞘から刀身を抜き放つと、
                               ためつすがめつ剣の検分を行う。
                         ──────────────────────

552 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:01:58 ID:3AV26z/2


                    /,〉
                   /,/
              ∠ニー-' /
                `〉Y>、\
                〈__/⌒l,ソ
               ./, ,/
              .// /
             .// /
             /ri /
            // /        ──────────────────────
            // /               剣はごく一般的なロングソードだ。
           // /               戦においては兵の主たる武装となる。
          // /
         ..// /           抜き放った刀身は一様に鈍く鋼色の光を反射しており、
         // /                    その様子にはムラが無い。
        .// /                 混ぜ物の混じった悪質な鉄ではなく、
        レ'´                 良質な鉄を惜しみ無く使用した証拠だ。
                       ──────────────────────

553 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:02:58 ID:3AV26z/2


.                 / ̄ ̄\     i|       |i
                  /.::::::    \   i|        |i
            /.:::::::        \ .i|        |i
             |::::::::          |,i|        |i
            \::::...          /i|           |i
            / ̄            ヽi|          |i
           /:: /.::       ,   丿           |i
           |::: /.::       /  /i|          i|i
          \/.::..        く /i|           i|i
         /:.   ,___、    \                i|i
        /  /ヾ_〉〉ij\     ヽ              i|i
        /  /      ̄ `く)    丿             i|i
.     /  /         /  ///         i|i
    (    /         (    l \ \        i|i
     \  i          \  !   \ \    i|i    ┃
      `ー'            `ー'    \ // i|i     ┏━━┛
                          `ーi|′     ┃         ━┃  ┛┛┃  ┛ ┛ ┛
                                 ━━━┛   ━━┛   ┃

                       ──────────────────────
                          やる夫はロングソードを軽く振り下ろす。
                            剣先が流麗な円弧の軌跡を描いた。

                             剣の重心が安定している証拠だ。
                            剣全体の重さの分布にムラがあると、
                       剣は持ち手の意思とはズレた軌跡を描いてしまうのだ。
                            例えば剣先に重心が存在すると、
                        振った時に持ち手は遠心力により剣に引っ張られ、
                             体勢を崩してしまう要因になる。
                       ──────────────────────

554 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:04:05 ID:3AV26z/2


                _____
              /       \
             / \    /  \      流石のドワーフ製だな。
           /   (●)  (●)   \     良い剣だ。
       _ ,ヘ |    (__人__)    rn|m
  ⊂ニニニ((ニ(ヽ| |三三三三三三三三三三三三三三三三>
.      ヽ、 `゙\/⌒          j  |
        \                 |
          `ー‐イ          |`ー'゙    ──────────────────────
             |          |              だが、この剣にはそれがない。
                                   剣は持ち手の意思を素直に受け取め、
                                  持ち手は無理なく剣を振るうことができる。

                              やる夫の腕にしてみれば素直過ぎて物足りなく感じるが、
                                   一般兵には充分以上な品質の剣だ。
                                      作り手の高い腕前が伺える。
                              ──────────────────────





.   //|           ヽ   /
  |/│       /    ', /
  |   /|   ‐‐┘     V
  |  / |     /   ト、  V.         なに当たり前のこと言ってんだ。
  |   / 、_ /  |\ゝ_・フ V         鉱物に関してドワーフの右に出るヤツなんざいねーんだから
  | /     / ̄    ̄`ヽ  ',        当然だろ。
  | |   /⌒}|     {::::}∧ \
  | |.  /    ̄'⌒Y_ /  \_∧
 Y⌒{ ̄|         }        \
. |   |へ      /   __       }
  `‐‐|   ト―― v   / _ }    /
   _八 /      7 / /   }   /      ──────────────────────
  {.  /     |  {__ / /               何気なく漏らしたやる夫の言葉を
  |\/        |―┬――イ\                ガリレオと名乗るドワーフは
                           小指を鼻の穴に突っ込みながら横柄に口を挟んだ。
                           ──────────────────────

555 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:05:09 ID:3AV26z/2

         ____
       /     \
.    /       \
.  / /) ノ '  ヽ、 \    ………
  | / .イ '(ー) (ー) u|
.   /,'才.ミ). (__人__)  /
.   | ≧シ'  ` ⌒´   \
 /\ ヽ          ヽ




      , -‐'/ミゞrへ`ヽ、
    /  /| | | | | l ll',  ヽ
   /   // l | | ノ l | | |  ヽ,
.   /  //`ー‐'| ||`ー‐ l    ',     おっさん!
  / / |/`ー‐   `ー‐イ   ト!     ニューソックの旦那は人間の貴族だぞ!
  l / / 「| ̄| ̄| ̄| |) !  lr }l
  |/l Y  | ̄ ̄ ̄ ̄``| |  /ノ
  l ヽハ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| | /  ,rゝ
  ヽ  ゝr┬┬┬┬┬┤|イゝ‐ヘ      ──────────────────────
   __ゝーr-‐r----rト-ヘ'´.         不敬極まりないガリレオの言葉や態度に
  ':::::::::::::::::::::::」_」::::::::::::::/                エドワードは表情を蒼白にした。
  :::::::::::::::::::::ゞ‐‐゙ ┘::::::::::``ヽ、
                                  エドワードは旅鍛冶師だ。
                            一般的なドワーフのように定住するのではなく、
                               大陸を旅して回るエドワードは
                          人間の貴族という物がどれだけ厄介かということを
                                 身に染みて理解していた。
                         ──────────────────────

556 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:06:15 ID:3AV26z/2


                 ト、   /       | \Z_  \
               \| \ /          \_  \  |
               |    l Z二\.     / / \   |
               |    |  / \ \} {_/ /⌒Yト  :|    はんっ!
              ゝニ>   |  | |}・|\_| |_イ}・|  | ヽ. /    なぁにが貴族だ!
                 ⌒\|  ゝ 二 ノ /| ゝ二 ノ  V
                          |    r- '  \       |      人間族の身分なんざ、
                 r ⌒ |    {      }___  |⌒v   ドワーフの俺にはこれっぽっちも関係ねー!
                 |  / /  ̄ ゝ__ /     |  |   |
  _,--、             .|  | /    ヘ___ へ  |  |   |
 {   /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ゝ//  /  -、__,-:、 \ ヽ. |_ノ/ ̄ ̄\
  7  |            /|'  / /        \ ヽ |/ / ̄
   ̄ \          ∠.  |  {_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_} { _
      \__      /   /               __/   \
          \  /   |              /\ \    }




         ,.-'    ハヾ! 〃,.、 `ー-、
       ,.-'´  _,.イ ∠三ミヾ!/彡ヽ、ヽ、  `ヽ
      /  / ,.' ,.! / _____,.ュ ヘ ̄`ーヽト-、 ヾ、
      !イ ! / / ヾ'´_____::::::::::`ー-、 ヽ  ヽ !
'‐-、___,.-、_ .} レ'〃イ  〃 ヾ::::::::r===、ヽ、!   ト、!             おっさん、氏族長だろーが!
`ーr-ニ=‐、_',__/.! 〉___,.ヾ、__,.ノ___ ii   ii  L_  ! _,.-=‐'⌒゙`ー‐'´    関係無いわけあるかー!
,.‐'´__,.--、ヘ `ヾニュ‐‐‐'´  ´ ,. 、ヾニ=<___fr=}==ニニ‐'´ ̄ ̄ ̄ ̄
ー<     ̄ヽ、  ii f‐、           ∠=イ /
  ヽ  ___`‐ヾ、',ヾ ii´ ̄ ̄`‐ァ、 ∠〃f'!/
 ̄ ̄  /::.::.::.::.: ̄`i !! ii| ̄ ̄`~^ソ 〃, '/    ヒイィィィ
.    !::.::.::.::.::.::/}  i |::::::::::::::::::,' 〃/〃‐----、
.    !::.::.::.::.::./::.:{  ',.|:::::::::::::::::{ /  /:、.::.::.::.::.::.`ヽ
    f、::.::.::.::.::ヾ、!   i|r‐、,.‐ 、//  /::._〉::.::.::.::.::.::.ノ
    !::',::.::.::.::.::r=!   !|    ii/  K='__::.::.::.::.::.::/
   /´::.:',::.::.::.スヾ'  ,.仆、  ,./ii   !_,/ 〉::.::.::.::∠
.  /::.::.::.::.::.::ノ::ヽヽ 〃K-=ニ=、_K  //::ヽ::.::´::.:      ──────────────────────
  f'::.::.::.::.::./::.::.::.ヽ ヾ' ト‐----‐'、〉-' /::.::.::.{::.::.::.::                ガリレオの言葉に、
  !::.::.::.,.-'´::.::.::.::.::.ヽヽトr--ァr‐'{__./::.::.::.::.::.}::.::.::.:           エドワードは悲鳴と共に反論した。
,.-'´::,.-'´::.::.::.::.::.::.::.::.:ィ7/;;;;;;;! !::.::ヽ::.::.::.::.::.::.::.ヽ、::.::       ──────────────────────

558 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:07:16 ID:3AV26z/2

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃                ┌────┐                  ┃
┃                │  氏族  │                  ┃
┃                └────┘                  ┃
┃                                           .┃
┃                                           .┃
┃                                           .┃
┃   ┌────┐     ┏━━━━━┓     ┌────┐    .┃
┃   │  氏族  │     ┃  元老院  ┃     │  氏族  │    .┃
┃   └────┘     ┗━━━━━┛     └────┘    .┃
┃                                           .┃
┃                                           .┃
┃                                           .┃
┃       ┌────┐           ┌────┐       .┃
┃       │  氏族  │           │  氏族  │       .┃
┃       └────┘           └────┘       .┃
┃                                           .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

                           ──────────────────────
                             ドワーフ社会は五つの"氏族"で構成されている。
                            氏族とは共通の祖先を持つ血縁集団のことであり、
                           ドワーフ族は氏族毎に異なった風習や掟を持っている。
                                その為、同じドワーフ族と言えども、
                               氏族が違えば異邦人という意識が強い。

                              そのバラバラになりかねないドワーフ全体を
                                  統括する組織が元老院である。
                            元老院は各氏族の長によって構成される組織であり、
                       氏族を超えた種族の方針や法律はこの長老達の合議によって決定される。
                           ──────────────────────

559 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:08:21 ID:3AV26z/2


          \   /        \\
      ___ 〉 /        |\|. |        ハ
       ⌒\    V.          \  |         {| |
     ___ >  / へ.\     / \ \     ト、
     ⌒ ̄\  | / \\  / /ヽ\ ヽ    ノ |. ∧へ     関係無いったら無い!
          \ | { | ・|\| | /|・ | }  V   {_ノ / :|  ',
           || ゝ__ノ/| ゝ__ノ   .| |    /   | u.|
         { ̄//    _ノ \_     | | ̄} ̄   ∧__|
        /  \||/  ̄ ̄{       } ̄ \ | |_ノ    ノ
 rへ /    //     \___/       Vヽ  厂
 | し/     //   { ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   | |_  L_ノ|⌒!
  ̄ \    / |     | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |   |  |     .| U|
     \  | \  | |            | |_/   |   _ノ∧ノ     名前:ガリレオ・ガリレイ
       \ ゝ    ̄ | ゝ_____.ノ / __ノ/V         種族:ドワーフ
         >--ゝ_______ノ /   |\              年齢:216
                                         性別:男
                                         職業:科学者、氏族『ガリハバラ』長老


              , '    iヽヽ!i     ヽ
             /    /!i ̄ ´ヽ i     ヽ
            /,   , i i    ヽ.iヽ i  : ::ヽ
      ,...、 ,-、 i'  ./! i  !     ! ヽ!、  :: ::i: !
      ヽ、Y /  ! .i  !_!iー--‐  'ー=,-ヽ :::::ヽ!     あのなぁ…
       ヽi ,...!.-'"ヾ! .:i !~ト'`i    .!ヾ"丿i': :::::/      流石に不味いだろ…
        i ! r‐―'-!.::!.i ヽ..ー'    ー`‐ 'i:::::::::i
        ヾ ! i― '!:::ト|     i      i::::/!:!-、     マリカからもなんとか言ってくれよ。
        i  ヾヽ ヽ:!ヽ  ,...,,,__,,,.....、 !::/、!':::/
       /!  ヽ ヽj、!、!ヽ._!、,'____,,..ヽ/!/ ヽ'""i
      /  iヽ  i  !  、ヽ=,ヽ--‐''i r‐-i  i_,/..、       名前:エドワード・エルリック
.    /    iヽ 丿ノヽ  ! ヽ i i  i i  /   !―'、       種族:ドワーフ
  /      i ヽ_,i´!  ヽ、   ヽ.i !.,.//  i - /  ,..-―、     年齢:102
                                        性別:男
                                        職業:旅鍛冶師



                       Vfr汽〈ノ7
                 r:え辷ム _)
                  ,ィ仁}_几ノr┘
                 /    ――- 、
          __   〃     l    _/       ガリーは頑固だから…
      /´      ` '     ,レ≦二、\
       |        / | / / ):::::::l  V ⌒ヽ  ___
      ヽ      l| |/   vイ::::o |   /´ | /
          ヽ.     | レffヘ    ゞ--' ・   /´ ̄ ヽ
         )   (_ハ.lJ|             /:::::::::::::::/
         /    (⊂ lゞ'          /::::::::::::::::::::丶-     名前:マリカ・スイエンサー
       (___     ⊃)ゝ ,:ァ)     //:::::::::::::::::::::::::::::::     種族:ドワーフ
         )  (⊂  // >ーァ≦r:/:::::::::::::::::::::::::::::::::     年齢:84
        (_, ,⊥へ.l::l/:}  r::: /!:::::::::::::::::::::::::::::::::::     性別:女
          _,)//1::::|::/:/ r:彡::/  |!:::::::::::::::::::::::::::::::/     職業:科学者の卵、ガリレオの弟子

560 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:09:26 ID:3AV26z/2


     ____
   /      \
  /         \
/ U  _ノ    ヽ_  \     やれやれ。
|     (一)|lil|(ー)  |
/     ∩ノ ⊃_) /  γY⌒ヽ
(  \ / _ノ |  |  ー (   ノ )
.\ “  /__|  |   ゝ、_ノ    ──────────────────────
  \ /___ /               まさか貴族の間でホラ吹きで有名な男が
                            ドワーフ族のトップの一角であるとは。
                        流石のやる夫もそこまで想像することは出来なかった。
                        ──────────────────────

561 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:10:43 ID:3AV26z/2

           ___
       /      \
      /ノ  \    \
    / (●)  (●)    \    できる夫。
     |   (__人__)        |    契約成立だ。
     \  ` ⌒´       /    ここにある武具は全てニューソックが買い取らせて貰う。
    ノ            \
  /´               ヽ




         ____   ,
       /     \  -
     /  ⌒   ⌒\`     あ、はいはい。
    /   ( ●)  (●) \     了解です。
    |      ___´___    |     それじゃあ契約書にサインをお願いします。
    ヽ、    `ー '´   /

                    ──────────────────────
                           やる夫は剣を鞘に納めると、
                         できる夫に契約の成立を告げた。

                       できる夫の差し出す契約書にサインを記す。
                    ──────────────────────

562 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:11:45 ID:3AV26z/2

         ____
       /      \
      /  _ノ   ヽ_  \
    /   (●)  (●)  \   ガリレオ殿
    |      (__人__)     |
     \    ` ⌒´    ,/
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |

                     /\
                    /  /
                    \/ />
.   //|           ヽ   /    </
  |/│       /    ', /.    ┌─┐
  |   /|   ‐‐┘     V     └─┘
  |  / |     /   ト、  V.
  |   / 、_ /  |\ゝ_・フ V     ん?
  | /     / ̄    ̄`ヽ  ',
  | |   /⌒}|     {::::}∧ \
  | |.  /    ̄'⌒Y_ /  \_∧
 Y⌒{ ̄|         }        \
. |   |へ      /   __       }
  `‐‐|   ト―― v   / _ }    /
   _八 /      7 / /   }   /        ──────────────────────
  {.  /     |  {__ / /         契約を終えるとやる夫はガリレオに静かに声をかけた。
  |\/        |―┬――イ\             ガリレオは目線だけをやる夫に向ける。
                             ──────────────────────

563 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:12:45 ID:3AV26z/2


            | | |

          / ̄ ̄ ̄ \  ペコッ
        /       . \
       /   \   /   \       改めて先ほどの非礼を詫びたい。
      .|   (ー)  (ー) .  |       貴族として、人として、無礼極まりない立ち振る舞いであった。
       \    (__人__) .  /       申し訳ない。
        /    `⌒´    ヽ




             /   |  /  /  }// `Y ⌒ヽ
             ,'   -┴ '´   ハ _ノ/。  | V´ }
         /   l|/ xく//ハ        V/. -―'. ', x       あら、いいのよ謝らなくったって。
          |    /  /  |/。'ハ     ´        V::::}       レディをあんな強引に連れてこうとしたのは、
          |  / 〉∧_ノ//,/         u.  /::::::!―     ガリーだもの。
          | // /ハ  \/        r‐ 、   ,|::::::::' /
__      |/ |レ1'、         r‐、 , - ヽ:::\/ !:::::〈_/::     それにあんな所でお店を広げておいて、
    フ       丶イ/ \     |::::l    ヽ:::::ヽノ:::::::::::::::     信用してくれっていうのも虫の良い話よ。
   /      //r―‐- .._  _」::::| _r=、ノヽ::::::`ヽ:::::::::::
. /         ̄  > 、:::::::::::`丶 l:::::|(::::`:::::::::::ハ::::::::::::::::::::::
(_            ∠ __ `丶:::::::::〉::::\:::::::::::::::::人:::::::::::::::::
   ̄ ̄ ̄ フ  /ヽ :::::::::::::::: ̄::::::::::{::::::::::::ヽ―- '´  \::::::::::::    ──────────────────────
        / /      ̄¨¨二フ::::::::::::::::::::::::/         \:::::     やる夫は自らの非を認めると静かに頭を降ろした。
                                              ニューソックほどの大家、
                                     それが頭を下げるという意味をドワーフ族は知らないだろう。

                                              しかしその意気は伝わったのか、
                                           マリカが慌ててやる夫の頭を上げさせた。
                                       ──────────────────────

564 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:13:54 ID:3AV26z/2


         ___
      /)/ノ ' ヽ、\       そう言って頂けると助かる。
     / .イ '(●)  .(●)\      あの時は梨花様を見失って気が立っていて、
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \    普段だったら私も、もう少し穏便に事を運んでいたのだが…
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |
  . \ ヽ           /




                       Vfr汽〈ノ7
                 r:え辷ム _)
                  ,ィ仁}_几ノr┘
                 /    ――- 、
          __   〃     l    _/               騎士様としては、
      /´      ` '     ,レ≦二、\               姫に襲いかかる悪漢を放っておけないものね。
       |        / | / / ):::::::l  V ⌒ヽ  ___      仕方がないわ。
      ヽ      l| |/   vイ::::o |   /´ | /   )
          ヽ.     | レffヘ    ゞ--' ・   /´ ̄ ヽ /    /
         )   (_ハ.lJ|             /:::::::::::::::/      (__
         /    (⊂ lゞ'          /::::::::::::::::::::丶------ 、  )
       (___     ⊃)ゝ ,:ァ)     //:::::::::::::::::::::::::::::::::::|  / /
         )  (⊂  // >ーァ≦r:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::: <<
        (_, ,⊥へ.l::l/:}  r::: /!:::::::::::::::::::::::::::::::::::::r 、 __)_)  ──────────────────────
          _,)//1::::|::/:/ r:彡::/  |!:::::::::::::::::::::::::::::::/ \ヽ         マリカが少し羨ましそうに瞳を揺らす。
         (_{/ /し::ノ:/ {:|ヽ/   八_,:::::::::::::::::::::∠)   _)ノ         マリカは齢こそ重ねているものの、
            ヽ::::::::/ rj:|,   `フ:(_,/::∧:::r--‐'               その精神構造は外見相応だ。
                                             感性も人間の少女に近いのだろう。

                                       騎士と姫という言葉に乙女心がくすぐられているようだった。
                                        ──────────────────────

565 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:14:58 ID:3AV26z/2


                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                   │  いえ、私が風聞に惑わされるとは…   │
                   │  お恥ずかしい限りです。            >
                    \_________________/


                             γ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ
                             │  うふふ。真面目な方なのね。  >
                              ヽ、_____________ノ

              , -―――- 、
       、_ /へ,,    、__\  。
       \ 〈  、〉      `ヽ
         | / ` < _       _| /|
         l し/ u `ヽ二二二二フ´ /
         | / /\    _  |  ∠      こらー!
        〃 X   l  | /  ×.|  /      俺を置いて話を進めるんじゃない!
        |l /  \  V l//  l|/
       /´|lハ  (・) フハ く (・) ノ|`ヽ  o
      八_ |l `三彡'    `ミ三´ | _ノ
     o   _|l_/´ ̄>=====< ̄ l_|  。  ゚
     /´ |   / /エェェェェi l   |\
    /  八_/ /        | |_ノ  \
  ∠         { {        | |      >、       ──────────────────────
 /   \ /  丶二二二二二ノ  |  /   \               その二人の様子に
./    //       |_・_|       | く     ヽ       ガリレオが口角泡を飛ばして抗議する。
                                 ──────────────────────

566 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:16:02 ID:3AV26z/2


          ____
       / ノ  \\
      / (●)  (●)\     すまない。
    / ∪  (__人__)  \    重ね重ね失礼した。
    |      ` ⌒´    |
     \ /⌒)⌒)⌒)   //⌒)⌒)⌒)
    ノ  | / / /   (⌒) ./ / /
  /´    | :::::::::::(⌒)  ゝ  ::::::::::/
 |    l  |     ノ  /  )  /
 ヽ    ヽ_ヽ    /'   /    /
  ヽ __     /   /   /




                >    __    \
              (⌒X /    < ̄`ヽ\
                    Y \  、__∠ \   |
              /ト、_人|}・|/| .ィ|}・゚|Y |  |
               |  .|Y´   }/ ̄ヽ   | レヘ    ふんっ。
         へ.¬  ゝ__ノ ゝ_ノ    .|  | |  }
       /\\〉ノ^}   /| rニニニニV |  | |__ノ    で?
      |  {__ノノ /  / | }レ´ ̄ ̄|  | |  | |      どうしようってんだ?
      |   / / /|__ノ (ニニニニノ ゝノ |⌒Y
     ノゝ__ /  {                 |  {
   /  く       >  ______ /  /⌒
  /    /   ヘ//_/     | \.      /
  |    |__ノ   // 土 也  |  \_/    ──────────────────────
                                       ガリレオは先を促した。
                               ──────────────────────

567 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:17:21 ID:3AV26z/2









   __       /⌒ヽ
  f-、  \   /   //⌒ヽ
  \)  l   ノ-‐ 〈/ _  / , - 、
    l   >'⌒ 丶 _ ⌒ ゝ'、 / , ― 、
    l       \_  -―ゞ⌒`ヽ /
    \              __/
      \/-――‐- 、    /        ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                          <   諸君らを食事に誘いたいと思うのだが、如何だろうか。 │
                           \________________________/

568 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:18:29 ID:3AV26z/2


         ___
      /)/ノ ' ヽ、\
     / .イ '(●)  .(●)\      諸々の事は全て私の無知が災いしたことだ。
  .  /,'才.ミ).  (__人__)   \     私達には圧倒的に相互理解が足りない。
  .  | ≧シ'   ´ ⌒`     |     もう少しお互いのことを知っても良いだろう。
  . \ ヽ           /




         ____
       /      \
      /  _ノ   ヽ_  \
    /   (●)  (●)  \    ここで知り合ったのも何かの縁。
    |      (__人__)     |     ささやかながらも歓待させて頂きたい。
     \    ` ⌒´    ,/     梨花様もカガク? とやらに興味がおありのようだしな。
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |      ──────────────────────
                          梨花派、ひいてはやる夫の当初の目標は
                       ドワーフ族との接触、ひいては仲間に引き込むことだ。

                        故にドワーフの氏族長と不破ができてしまったことは
                                 手痛い事実である。
                       ──────────────────────

569 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:19:35 ID:3AV26z/2


                           \       /
                            \      {
                          \   >      \
             l           ヽ、   >イ_        ヽ
               |     l     l     ヾ ,z‐ャ:!,ハ       /
\             |     |     l_, ..::::/{rくX| { } ̄`>   /    あら、素敵ね!
.  \             |__ l_ ,z‐‐t´::::::::   乂>'’ ∨ /  <     人間族の貴族のもてなしかぁ。
    \        / ,r‐,ハ::::/{rくXハ     . xxx/:|   ̄`>/     なに着て行こうかしら。
     /        /X{ ∥ヽ  乂>''’       分’  ーっ
    /      /.(:::::∥_  .、xxxx   r  '}/::::/
   /       \\‘:::: ̄:7’:`:::ー----‘=<:;!::::::::\
  〈             ) \::::厶::::::::::::::{   介ー';!:::::::::::::::\
       ̄ ̄`ヽ   / ⊂:::::::::::::::ハ:::::::::r<::/}::!::::::::::::::::::::::ヽ/:::}
       /  <  ,(::::/ー'〉:::::::::::::::::::{/介~:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ_




      /   /         /ヾミ从彡ヘ        ヽ
      /   /         l  ,       l l|       、 \
      l / /        /l  !       l |ヽ, |      }\〉
       |/ //|       i  / | |       l|  l !       !
      !レ1/l!    | l  l .|       ,1イ_l |l    i |
      ゙iレi´゙|   i  |  l_ l |       ,イf_):::i゙ ||  f´ ̄`ヽ    ラッキー!
      ヾ! !   |  l| / 二ー_--ソ   ′ ゞ゙ソ li}  !    }    ニューソックの旦那は太っ腹だな!
     「 ̄ハ |   | /| /´ ̄`゙`         -‐' | |      !
     |  i iヽヘ  |/ |/                   | |    /
     |  | | i ∧  l| i         _ i〉      /!/ 、___/
     |  | | |{l l   ||     ,ィ._____,、  //  ̄ ̄}__
   く ̄「} ヾ{ソヾ,ヽト、|!\   { _ __,   ,二ン / レ, -‐ '"    l`lヽ
   }  lj /   ゙ 二‐-、` .`ー‐ '"´   /,ィ"[__          | コ}   ──────────────────────
   >"        ` ニ! ` ー-----r'r=/ |  r┘  , -‐ '"フ ノ ノ         だがやる夫には自信があった。
, -'"             ||       〃 { ゝ_人二  -─ '" ̄`゙ヽ-、     やる夫は古くから存在する大貴族の長だ。
                ヾ,     〃  | r‐ヒ___          |   故に他の多くの貴族と折衝を行った豊富な経験がある。

                                             狡猾で悪知恵の回る人間の貴族に比べたら、
                                           職人気質で頑固だが根は単純であるドワーフ族など
                                                 大人と子供ほどの差があるだろう。
                                        交渉のテーブルにさえつかせれば、なんとかなると踏んでいた。
                                           ──────────────────────

570 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:20:39 ID:3AV26z/2


        ト、   /       | \Z_  \
      \| \ /          \_  \  |
      |    l Z二\.     / / \   |
      |    |  / \ \} {_/ /⌒Yト  :|
     ゝニ>   |  | |}・|\_| |_イ}・|  | ヽ. /      ………
        ⌒\|  ゝ 二 ノ /| ゝ二 ノ  V
           |    r- '  \       |
        r ⌒ |    {      }___  |⌒v
        |  / /  ̄ ゝ__ /     |  |   |
        |  | /    ヘ___ へ  |  |   |
        ゝ//  /  -、__,-:、 \ ヽ. |_ノ/ ̄ ̄\
         |'  / /        \ ヽ |/ / ̄
         |  {_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_} { _        ──────────────────────

                                             しかし―――

                                   ──────────────────────

          l     ヽ         \: . . .  \
          |!       ヽ,,..≦二、 ̄ヽ : : : : : : .\: : : : : . .
  /   /   ll. -‐ ' ¨ ̄//  }'ハ\  ', : : : : : : :/ \: : : : :
  ,'   !  /      / /、__ノ/ l   V⌒ヽ: :/    ヽ: : :     ?
  |   | /, == 、      〈///,゚  |    /` |/   /: : :
  |  /ハV { _ノ∧       V   -‐'.       /  /: : : : : :     ガリー?
  レ': ://: :ヽV/゚ノ               _,ノ   丶----; :
. : : : : 丶==ァハ´  ノ                イ         /: :
: : : : : : : /: : :',                /|       /: : :
: : : : :∠._: : : :ゝ. _   つ     /r= 、/⌒L、   丶---      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
――ァ: : : :/: : : :/ `  ー--‐=彡=J  /   /             │  俺は肉が良いな、肉! 後は酒だ!!  >
  /: : : : {_ノ/        ((⌒ヽ      /               \_________________/

571 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:21:39 ID:3AV26z/2







      \r‐\ ヽ   ̄   l l  /       /     ヽ x/  |
          \ \ \ ,,    /ゝ .. ___,/       | |く//\       悪いけどよ。
   l        \ l   l /  /                   |_/ />   ヽ
      l l l    \   |   |   ,, ,   _/ ̄ ̄ヽ _   イ      |
 |           l  、 / |      / / ̄ ̄ニ ┌ ̄   / l |    !
        | l    く // ∧    / / , -―┘ナ ̄  /       |
          l    x / / ∧   {  し' / ̄ ̄´  / ll      |
             / \ ̄ ̄ ̄\ ヽ--‐'        /〈           \
                 \     \       /  ノ        | l   |

572 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:22:53 ID:3AV26z/2


        ト、   /       | \Z_  \
      \| \ /          \_  \  |
      |    l Z二\.     / / \   |
      |    |  / \ \} {_/ /⌒Yト  :|
     ゝニ>   |  | |}・|\_| |_イ}・|  | ヽ. /      遠慮させて貰う。
        ⌒\|  ゝ 二 ノ /| ゝ二 ノ  V       商品の取引はするが、
           |    r- '  \       |        そこまでする理由が俺らには無い。
        r ⌒ |    {      }___  |⌒v
        |  / /  ̄ ゝ__ /     |  |   |
        |  | /    ヘ___ へ  |  |   |
        ゝ//  /  -、__,-:、 \ ヽ. |_ノ/ ̄ ̄\
         |'  / /        \ ヽ |/ / ̄    ──────────────────────
         |  {_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_} { _
                                    ガリレオは同じテーブルにつく事自体を拒否した。

                                  ──────────────────────






            /             └―-,
  /´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`                   /
  、                     _       //|                 , -‐'/ミゞrへ`ヽ、
  ヽ                 / ● /       '  /             /  /| | | | | l ll',  ヽ
    \           _    ̄  厂 ̄/   〈            /   // l | | ノ l | | |  ヽ,
     丶        / ● /     / /ヽ ̄//.            .   /  //`ー‐'| ||`ー‐ l    ',
         \        ̄    ◇ イ/   |_   ̄              / / |/`ー‐   `ー‐イ   ト!
         ,ゝ     く^ ー―ァ       〉                   l / / 「| ̄| ̄| ̄| |) !  lr }l
        /     __,ゝく ̄        ト、 \.             |/l Y  | ̄ ̄ ̄ ̄``| |  /ノ
       く_      \    \         | \ ヽ ___/.        l ヽハ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| | /  ,rゝ
         ̄ ̄//     く_, ト、   |/ / /.              ヽ  ゝr┬┬┬┬┬┤|イゝ‐ヘ
           /∠           | |  ゝ     / /     /         __ゝーr-‐r----rト-ヘ'´.
                                              ':::::::::::::::::::::::」_」::::::::::::::/
                                              :::::::::::::::::::::ゞ‐‐゙ ┘::::::::::``ヽ、

573 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:24:06 ID:3AV26z/2


: : : : : : : : : : : : : : : : /: : :/  ∨ /
: : : : : : : : : : : r==== :_:」   V    /      \
: : : : : : : : : : : ヾ、: : : / l |     ヽ―‐ '- 、   /   ハ
: : : : :r===、 -:ヾ: :/  {.{     \   \./l / } ',        ガリー!
: : : : : \: :/ \}}/   ゞミx. __ ゝノ ,   /  / |. . . .      貴方って本っ当に大人げないわ!
====ミゝ  \         __    {ー'´   /:\|: : :       ニューソックさんはこんなに紳士なのに!
//∧ 八                 / /\   ゞー--r ': : :   /     いつまで拗ねてるのよ!
///∧    ー、          / ̄`\/\   ̄・ |: :    /
////∧ r=、  _ \      /    ヽ. \/>    |:   /        ___
/////∧}//∨ハ/       /      |  /    /:  〈       /´//////丶-、
/////\//////l___    \    l/   イ: .   ヽ.      / //////////|
////   \////////) ⌒丶 二ニ´-‐<: : : : : : : .   丶  x〈////////////\
///      ヽ/////7Zつ _____ _\: : : : : : .    ! |//\////////////\
//,二ニュ   }//////フ7´/////////,\ : : : : : : : : : .  |  \//,\'//////////,〉




              , -―――- 、
       、_ /へ,,    、__\  。
       \ 〈  、〉      `ヽ
         | / ` < _       _| /|
         l し/ u `ヽ二二二二フ´ /
         | / /\    _  |  ∠     いやいやいや!
        〃 X   l  | /  ×.|  /     違う違う!
        |l /  \  V l//  l|/
       /´|lハ  (・) フハ く (・) ノ|`ヽ  o    俺個人の気持ちの問題じゃなくてだな、
      八_ |l `三彡'    `ミ三´ | _ノ      ドワーフ族全体のことを考えてだよ!
     o   _|l_/´ ̄>=====< ̄ l_|  。  ゚
     /´ |   / /エェェェェi l   |\
    /  八_/ /        | |_ノ  \
  ∠         { {        | |      >、      ──────────────────────
 /   \ /  丶二二二二二ノ  |  /   \      マリカがガリレオの言葉に抗議の声を上げる。
./    //       |_・_|       | く     ヽ       ガリレオは心外だとばかりに否定した。
                                ──────────────────────

574 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:25:07 ID:3AV26z/2


: :l: : : : : :|: : : : : : |: : : : : : : : |:_; -‐'´ /卜、: : : : :
: :|: : : : : :|: : : : : : |:_: : -‐七´ ―‐tテ´   !/ 〉: : : : :
: :|_. -┴  ´ ̄  ┘    、_   _,ノ|/: : : : : :    ドワーフ族全体ぃ?
: : : r/  ――tテ´          ̄ ` ・l/: : : : : : :    また適当なこと言って誤魔化すと、
: : : /-、 、    /            /――-、: :    アレをけしかけるわよ。
: : ∧  ', ^ `¨´             /      ):
: :/: : /⌒I        />    /     /: :
: :し:./` / > .. ____   ィく∧    (: : : :
: :/  /  //////(⌒Y^///////∧     \: :
     {_////^\/////// ///////∧


















                    アレ
                    ↓
               -、、
                  \ 、
                 ,.-ヽV´ ̄`ヽ、
                 / /`ニ´\ニニニ`=、、
              /   /ニニニニニニヽニニニニl 、
 r‐ 、            '´|   lニ_ニニニニ_ニ|ニニニlコニト
  \ \ ,.,         { |   |((_,))ニ((_,))|ニニト!‐l、
   \ \` ,.      j |  l | ニニニニニニニ|ニニ|fヽ !
     \ \`'、    !,|  ト|  ニ_,ニ,ニ,ニ,_ニ|ニニ|ソ/
      \ \     i |  ! ,ィく∧∧∧∧>|∧|< オレサマ オマエ マルカジリ
        \ \'',,  } |  i、´|「三三三三|「//ニニ\
         \ \   |∧| `lj'-ァ三三 'lj /ニニニニ\
           \ \       /`'ー一 ''´ニニニ/ニニヽ   ──────────────────────
            \ \ _  /  ニニニニニニニニ/ニニニニニl     ドワーフ族と人間族の食性は似通っており、
               Y´_,r`ヽ ニニニニニニニニlニニニニニニ|    さらにはドワーフは無類の酒好きで知られている。
               l  -'´_`Lニニニニニニニ|ニニニニニニ|       そこに人間の貴族からの食事の誘いだ。
                  l   ´ rくニニニニニニニ|ニニニニニニ|            それこそ豪華な食事に
               〉 ニニ{、 \ニニニニニj_,r─--、」          浴びるほどの酒を期待できる。

                                     それにありつけるチャンスを逃そうとするガリレオに
                                       若いドワーフが反発するのも無理は無かった。
                                     ──────────────────────

575 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:26:10 ID:3AV26z/2


         ____
         /     \
.     /  _ノ '' 'ー  \
    l^l^ln  (●)  (ー) \    …理由を聞かせて貰っても構わないか?
    ヽ   L  (__人__)    |
     ゝ  ノ  ` ⌒´   /
   /   /         \
  /   /            \
. /    /         -一'''''''ー-、.
人__ノ        (⌒_(⌒)⌒)⌒))




        ト、   /       | \Z_  \
      \| \ /          \_  \  |
      |    l Z二\.     / / \   |
      |    |  / \ \} {_/ /⌒Yト  :|
     ゝニ>   |  | |}・|\_| |_イ}・|  | ヽ. /      王選、って人間族は呼んでるのか?
        ⌒\|  ゝ 二 ノ /| ゝ二 ノ  V       それに俺らドワーフ族は関われねぇ。
           |    r- '  \       |
        r ⌒ |    {      }___  |⌒v
        |  / /  ̄ ゝ__ /     |  |   |
        |  | /    ヘ___ へ  |  |   |     ──────────────────────
        ゝ//  /  -、__,-:、 \ ヽ. |_ノ/ ̄ ̄\       やる夫も頑固な一人のドワーフが
         |'  / /        \ ヽ |/ / ̄       意地になってるだけだと思っていた。
         |  {_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_} { _          しかし老練のドワーフから出た言葉は
                                     やる夫にとって以外な物だった。
                                ──────────────────────

576 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:27:03 ID:3AV26z/2


                ____
             /        \   人
             /           \   て
.          / \     _/      \      っ!
         |  (●)   (●)      |
.        \  (__人__)  u.   /
           `、      :::::::z≠" ̄¨`




.   //|           ヽ   /
  |/│       /    ', /
  |   /|   ‐‐┘     V
  |  / |     /   ト、  V.
  |   / 、_ /  |\ゝ_・フ V      ドワーフ族は人間族の諍いを知らないと思ってたか?
  | /     / ̄    ̄`ヽ  ',
  | |   /⌒}|     {::::}∧ \    んなこたぁねぇよ。
  | |.  /    ̄'⌒Y_ /  \_∧   ドワーフ族だって生き残る為に調べることくらいはする。
 Y⌒{ ̄|         }        \
. |   |へ      /   __       }
  `‐‐|   ト―― v   / _ }    /    ──────────────────────
   _八 /      7 / /   }   /           やる夫の表情が驚愕に染まる。
  {.  /     |  {__ / /              完全に出鼻をくじかれた。
  |\/        |―┬――イ\
                              ドワーフは職人としての腕だけが能だと、
                                侮っていたやる夫の失態だった。
                          ──────────────────────

577 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:27:57 ID:3AV26z/2


    / ̄ ̄ ̄\
  /        \
 /     _ノ   ヽ_ ヽ   ………
 |  u. (●)  (●) |
 \  ∩(__人/777/
 /  (丶_//// \




           ___
       /      \
      /ノ  \    \       そこまで理解されているのならば話は早い。
    / (●)  (●)    \     それを踏まえて今後の事を…
     |   (__人__)    u.   |
     \  ` ⌒´       /
    ノ            \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  /´               ヽ          │   いや、だからよ。    >
                              \__________/

──────────────────────
     やる夫は一瞬で頭を回転させた。
  そしてとにかく交渉の席に着かせようとするも、
 それを言い切る前にガリレオはその言葉を遮る。
──────────────────────

578 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:28:59 ID:3AV26z/2


          \   /        \\
      ___ 〉 /        |\|. |        ハ
       ⌒\    V.          \  |         {| |
     ___ >  / へ.\     / \ \     ト、
     ⌒ ̄\  | / \\  / /ヽ\ ヽ    ノ |. ∧へ     関わらないんじゃない。
          \ | { | ・|\| | /|・ | }  V   {_ノ / :|  ',     関われないんだ!
           || ゝ__ノ/| ゝ__ノ   .| |    /   | u.|
         { ̄//    _ノ \_     | | ̄} ̄   ∧__|     もしドワーフ族が味方した勢力が負けたらどうなる?
        /  \||/  ̄ ̄{       } ̄ \ | |_ノ    ノ        今でさえ人間族に圧されて細々やってんだ。
 rへ /    //     \___/       Vヽ  厂         滅んじまうよ! 種族全体が!
 | し/     //   { ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   | |_  L_ノ|⌒!
  ̄ \    / |     | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| |   |  |     .| U|
     \  | \  | |            | |_/   |   _ノ∧ノ
       \ ゝ    ̄ | ゝ_____.ノ / __ノ/V
         >--ゝ_______ノ /   |\




                 ト、   /       | \Z_  \
               \| \ /          \_  \  |
               |    l Z二\.     / / \   |
               |    |  / \ \} {_/ /⌒Yト  :|
              ゝニ>   |  | |}・|\_| |_イ}・|  | ヽ. /      だからどんな些細な関わりすらも避けよってのが
                 ⌒\|  ゝ 二 ノ /| ゝ二 ノ  V       ドワーフ族の見解だ。
                          |    r- '  \       |                     ドワーフ
                 r ⌒ |    {      }___  |⌒v     特に味方が出来なくて俺らにすら声かけるような、
                 |  / /  ̄ ゝ__ /     |  |   |     お前さん方(梨花派)とはな。
  _,--、             .|  | /    ヘ___ へ  |  |   |
 {   /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ゝ//  /  -、__,-:、 \ ヽ. |_ノ/ ̄ ̄\
  7  |            /|'  / /        \ ヽ |/ / ̄  ──────────────────────
   ̄ \          ∠.  |  {_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_} { _      孤立しつつあるという梨花派の現状すら知る彼は
                                            確かに人間族の事情に明るいようだった。

                                          徹頭徹尾、理によってやる夫の思惑を否定していく。
                                         ──────────────────────

580 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:30:33 ID:3AV26z/2


     ____
   /      \
  /         \
/ U  _ノ    ヽ_  \    …それは種族全体の決定事項ということか?
|     (一)|lil|(ー)  |
/     ∩ノ ⊃_) /
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /




.   //|           ヽ   /
  |/│       /    ', /
  |   /|   ‐‐┘     V
  |  / |     /   ト、  V.      ああ、俺を含めた氏族長で構成される、
  |   / 、_ /  |\ゝ_・フ V      元老院で決まったことだ。
  | /     / ̄    ̄`ヽ  ',
  | |   /⌒}|     {::::}∧ \    俺らはこの王選に関して完全不干渉を貫く。
  | |.  /    ̄'⌒Y_ /  \_∧
 Y⌒{ ̄|         }        \
. |   |へ      /   __       }
  `‐‐|   ト―― v   / _ }    /
   _八 /      7 / /   }   /     ──────────────────────
  {.  /     |  {__ / /      異なる文化基板を持つ5人の氏族長で構成される元老院は
  |\/        |―┬――イ\              とにかく決定の遅い機関だ。
                         議論が紛糾し、一つの議題に数年かけることも稀ではない。

                         だがその分、一度決定されたことは徹底的に順守される。
                            ガリレオの言葉はやる夫の思惑を否定する。
                          ──────────────────────

582 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:31:57 ID:3AV26z/2


              , -―――- 、
       、_ /へ,,    、__\  。
       \ 〈  、〉      `ヽ
         | / ` < _       _| /|
         l し/ u `ヽ二二二二フ´ /
         | / /\    _  |  ∠
        〃 X   l  | /  ×.|  /      というわけで分かったか、オマエら!
        |l /  \  V l//  l|/       決して俺が大人げないわけじゃねーぞ!
       /´|lハ  (・) フハ く (・) ノ|`ヽ  o
      八_ |l `三彡'    `ミ三´ | _ノ
     o   _|l_/´ ̄>=====< ̄ l_|  。  ゚
     /´ |   / /エェェェェi l   |\
    /  八_/ /        | |_ノ  \
  ∠         { {        | |      >、
 /   \ /  丶二二二二二ノ  |  /   \
./    //       |_・_|       | く     ヽ




       |: : : : : : : : : : : : : : : : /: : : : : : \!_,r ┴く: : : : : : : : : : : : : : : : |
       |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \__): : : : : : : : : : : : : : : ;
       ',: : : : : : : : : : : : : /: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : : : : : : : : : : :/
       ',: : : : : : : : : : : :/: : : :/: : : :/: : : |: : : ヽ: ヽ: : : : : : : : : : : : : : : /
        ヽ: : : : : : : : :∠: :_:_/: : : :/: : : : |: : : : :|: : 〉: : : : : : : : : : : : /     …なんだか気に入らないわ。
          \ : : : : : :{ヽ: :r‐}┬‐┬H‐┬―┬iイ-‐、:_: : : : : : : : く       今のドワーフ族が恵まれてるとは
         /: : : : : :∧ Vいト 二 ノ ヽ `二´ノ rー | `丶、 : : : : \      とても言えない状況で現状維持?
         く: : : : : : :く ∧ V人          /_ノ    > : : : : : : >
         丶-- ; : : :> /⌒ヽ./7  [_)    /        / : : : : : /     逆に言えば
            く: < ∧ ⌒}/ ≧ァ┬=≦        \: : : :<       人間族に恩を売るチャンスなんじゃないの?
              >:> ∧ーイ.八ーく二二ノー- 、       >: :/
             ゞ=='  } リ// ___ /  ヽ     、_>:>  ──────────────────────
                     |  V /__.l_ /'      }      ̄     その保守的な考えに若いドワーフは反発した。
                                                確かに大きなリスクはあるが、
                                        その分大きなリターンも得られる可能性のある話だからだ。

                                         現在、ドワーフの商売の場は"商都"のみに限定され、
                                           しかも一等地は人間族が独占している状況だ。
                                             商売以外でも、人間族の支配領域を
                                           ドワーフが自由に移動することは非常に難しい。

                                            その現状に不満を持つドワーフは多く、
                                             マリカやエドワードもその一部だ。
                                         ──────────────────────

583 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:33:32 ID:3AV26z/2


       / /    ̄ ̄\/  ∧/|
.       / 厶イ  \」 {/\/  /
      /    丁 ̄|・|、ハィ|・|丁∠/|         あのな、マリカ。
     |    /ゝ--ノ   ̄ヽ人  /          どっかの派閥に肩入れするってのは、
     |  イU __ {     }  Vへ  rヘ ̄ \   今後起こるであろう戦争にも兵を出すってことだ。
      /  ̄| | /   ゝ__ノ ̄ヽ|_ノ  / /    |
     ゝ_| | |  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) \  V      |   それを踏まえてちょっとあいつを見てみろ。
       ゝ| | |  | |二l二l二| |    ヽ ゝ__.イ
    / ̄\.)   | |     | |     / |      |
   /   /  ̄ヽ| |     | |   /_.ノ      |
   |          || |     | |  /|      /
  ∧         ∧ ゝ|二|二///   ̄}   /
  /  \___ /  \__/|___ノ  /




     ,、-'´  -‐'''"´イ /-―‐、
   /        /ミ、/彡!  ヽ
  /        / /‐―z'=|   ',
  /        /| /    | |   ',
 i  |      / | /       | |!
 l.,、-!     /ニ|/     ,||-|   l
 ',,= i     /´, Tヾ   ィ-ァ- !  l     ん?
 / -|    /ヽ-'|     じ'  |  l
 l (!    /` ー' ´    ヽ- イ  l
 ヽ、」   /       l    | .l
  r'´ l ハ /            | i
. r┘ l ヽト-、._ ,、-‐――-、_,ィ/ |/
┘ r-、ヘ└‐‐‐`‐‐、..._,,、r‐'-ュ___        ──────────────────────
ヽr┘  `ヽ,:::::::::::::| |:::::::/::// / l              マリカの反発を抑えこもうと、
-'   ‐--、_\:::::::ヽ'、 ヽ!//  `''i_        エドワードに視線を移して説明を始めた。
                          ──────────────────────

584 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:34:34 ID:3AV26z/2




                         ヾ                    ↑
                      i|                  │┌──────┐
                     ヤ                 ││ MINIMUM   │
                   , ィ' ¨`ヽ             │└──────┘
                     /       ヘ  ,ww,.        │
                      7 |◯||||◯||i .iw,ノ,-'.       │
                     | ((__ ((   j_ノチヾ,         │ ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                      ヘ ))  | .)) .7::/ 冫、      │ |  戦争で物を言うのはドワーフ族自慢の筋力じゃねぇ。  │
                  f,ヽ、--'__,..イ/,='´.:.:.ヘ.     │ |  機動力とリーチ。                             │
             ↑     i:ヾ-=、::i!:::i^´:.:.:.:.:.:.:.:.:.',..    │ |  つまりはいかにして「早く動くか」と                   >
             │     |:.:.:.:、:.ヘ:ヤ|:.:.:.:.:|/:.:.:.:.:.:.',    │ |  「相手より先に攻撃するか」だ。                │
             │     |:.:.:.:|ヘ:.:.ヘ|:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:',    │ .\_______________________/
             │     |:.:.:.:| ヘ:. |:.:.:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.    │
             │   ...|:.:.:.:|   ヽ!:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i    │
...  ┌─────┐│     |:.:.:.:|    |:.:.:.:.:|::',.:.:.:.:.:.:.:.:.:!.  │
...  │ SHORT  .││     |:.:.:.:|    |:.:.:.:.:|:::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.  │
...  └─────┘│     ├-┤ ..ィ'ト--チ:::!:.:.:.:.:.:.:.:.:.i.   │ ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
             ↓    ヽ-' ./:::::>-':::::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',.  │ |  それなのにアイツの背の低さと手足の短さと言ったら…  │
                 ↑     ∠::::::::::://::::::!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',  │ |  足が短いから歩幅も小さく、                   │
                 │   ...ヤ:::::::7  j:::::::::!:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:j. │ |  人間族に比べて早く動けない。                     │
                 │    .i:::::::::|  .',:::::::i::::::::::> '"´. │ |  かといって馬に乗ろうにも子馬にしか乗れねぇ。          >
                 │     |::::::::|  i:::::::'-i´       │ |  手が短いからリーチも短く、敵に剣が届かない。        │
.      ┌─────┐│     |::::::::|  |:::::::::::!        │ .\________________________/
.      │ SHORT  .││   ...ノ:::::::::j   i:::::::::::|         │
.      └─────┘↓    .´- '"´ ,ィ;;;;;;;;;;;;;j.         ↓

585 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:36:04 ID:3AV26z/2


      \、__ /       \: .丶  ヽ
     、\: . /     /,    \\   |
      \: : : :|       ′   \: .   |
          \.:l   \            \: /
         _〕    \/V_,,.. - ´  l|
       / o' ≧==ミ`- ,,.___   l|⌒ヽ    ドワーフ族ってのはよ。
     。| // /´ /| ´'ヘ ̄ ̄`I  o  /    多種族と比べて圧倒的に戦に向かないんだ。
        ヽ/〈  /ー/´.:::::.`ヽー|   〈  l|/ 。
         / / ノ: : :丶::::::::::: ノ: :\   '、 l|      人間族に擦り寄って商売をしてるってのも、
      ∧/ /: : : : : : .  ̄ . : : : : :ヽ  l l|_      それが第一の理由でよ。
      |: :{ {: : : ; -――― 、: : : :l  |ー:| \    昔っからドワーフ族ってのは弱くても生き残ろうと必死なんだよ。
     / V /.:/ , -―‐-、 \: :|  〉:.:|  |
     |  ∧ {: :ヽ _, -―‐- 、_ノ:r' ノ.:.:ノ  ∧
     |  | `t.>- ..,,___,,.. -‐'_r≠´   / !
   厂´ |     _,」    /  ̄      / |
   /     \  / |    |^\     /   \




          /,  / イ     l  /: : : : : : : : : : : :\  ト
         // l ノ'//     /l  /: : : : : : : : : : : : : : :l  l::ヽ
        // ,/ ./ /     ト,l  /: : : : : : : : : : : : : : : :l  l: :>
        /' ,ィ' / /     / l /: : : : : : : : : : : : ,: : : : :l  l´ `
       l /レ´       /|/ \: :\: : : : ::/ : : : /l l
       l / /   ,,;    / l/    \: : : :i::, :,:, : :/  l l
   _,,,,..-,,レ._/   ,;;;     /  '   ・   \',:|}li|,':/  ・ |ノ
..-'''       ̄''''-,;;;;:   l、       _,....::''::''::'ニ...,,,,___    誰が虫めがねで見なきゃ判らねーほどのドちびかあああ!
,/'F-'`'^'-っ---...,,ノ};;; ,;  l `':':':':':':':':´: : : : : :i!: : : : : : : : : :  ̄
'''´    /    `'i'`'''-.....l r......;,;,;,: : : : : : : : : : : : : : : ;,;,;.:.:..-─'
    .::/         l    l´`'''-、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄          ──────────────────────
  ..::::/:...     .:/       l    l ∧  ∧  ∧  ∧  ∧  /        ガリレオの説明は理に適った物であった。
:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::..........  l    l/::::::∨::::::∨:::::∨:::::∨:::::∨       確かに個人、あるいはパーティの一員として
::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::.l::........ l、∧::::::∧:::::::∧::::∧::::∧::::::/         冒険者となるドワーフは存在する。
::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::l::::::::::::::.l,  ∨  ∨  ∨ ∨  ∨           エドワードもそのうちの一人だ。
::::::::::::l::::::::::::::::::::::l:::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l__________/
:::::::::::::',:::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::l、: : : : : : : : : : : : : : : : / /         だが、組織として戦うとした場合、
                                             ドワーフ族は全ての種族に劣るのだ。

                                            人間族と足並を揃えて戦うことも難しく、
                                       人間族の戦に参加すれば多くのドワーフが命を落とすだろう。
                                             そして個体数の少ないドワーフにとって、
                                               それは種族存亡の危機となる。
                                         ──────────────────────

587 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:37:40 ID:3AV26z/2


.   //|           ヽ   /
  |/│       /    ', /
  |   /|   ‐‐┘     V
  |  / |     /   ト、  V.     まっ。そんなわけだ。
  |   / 、_ /  |\ゝ_・フ V     お前さんが商都に来たのは俺らが目当てなんだろうが、
  | /     / ̄    ̄`ヽ  ',    諦めてくれや。
  | |   /⌒}|     {::::}∧ \
  | |.  /    ̄'⌒Y_ /  \_∧
 Y⌒{ ̄|         }        \
. |   |へ      /   __       }
  `‐‐|   ト―― v   / _ }    /
   _八 /      7 / /   }   /
  {.  /     |  {__ / /
  |\/        |―┬――イ\



                | レ' ト、_|  \
           __V    | \_  \
            \ //⌒ |\      ',
            //⌒|  |         |
         ___/| ||・|  |   \        |
       {     〈 ゝ_/     ヽ     |     その代わり安心しな。
       ゝ___ノ ̄ `ヽ     /     /
        _/___ノ⌒} }    / / ̄ }/
       > ___ノ //   / 厶__ノ
      _ト--- /   / /-く
    r-┴、       〈__/ /   L
    |  r‐‐' ̄ }    ---‐┴:、__}      ──────────────────────
    7    ̄ ̄}/         \ |             ガリレオの説明に、
    |   二二}/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |  V       若いドワーフは表情を落として納得した。
    /   / / /            |   |       それを見てガリレオは再びやる夫に向き直る。
                            ──────────────────────

588 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:38:26 ID:3AV26z/2





   ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  <   金さえ払ってくれるなら武器は売る。  │
   \_________________/


           ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
          <   それがドワーフだ。    │
           \___________/





.

589 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:39:14 ID:3AV26z/2


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     :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

         ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

                 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

                        :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

                       :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

                             ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::



.

590 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:39:53 ID:3AV26z/2


           ___                       ___
       _______|二l二|_______________|二l二|__
        |土土|二l二F土土土土土土土土土土土土土土|二l二F土|
        |土土|二l二F土土土土土土土土土土土土土土|二l二F土|
        |土土l二l二F土土土土土土土土土土土土土土l二l二F土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
      |J : : : : ,.'⌒ヽ: : : : : :,.'⌒ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : :____ : レ|
      |J : : : :├┼┤ : : : :├┼┤: : : : : : : : ,ィニニヽ: :| Pub| レ|
      |J : : : :├┼┤ : : : :├┼┤: : : : : : : /Λ 人 Λ', ¨不¨¨ : レ|
      |J : : : : lニニゴ: : : : : :lニニゴ : : : : : : : ト|<(__)>ト|: :|「l|.:.: :.:レ|
      |J : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ト| l l∨l l ト|: :`¨ : : : レ|
      |Jュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュト| l llェョト|ュェュェュェュレ|
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       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                        ──────────────────────
                          商業区の一角にその冒険者宿は存在していた。
                            手入れ良く、一等地に存在するその宿は
                                良く繁盛しているのだろう。

                                そして今は夕食時の時分だ。
                       食堂も兼ねるこの宿の中からは活気のある声が響いてくる。
                        ──────────────────────

591 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:40:54 ID:3AV26z/2


                       /`¨ヽ-、
                _  _   !  / ,   ヽ
           , ´   `i´    Yー〈 / / /
             /   >─ <  T ´`ー' イ
.         __/  / -─―- 、  i     /
          i__| ,' ,'  / i   !  ', ',   /
          i L」_イ_L_!_ハ  ! /
          レ i  \   /   /ト' /        ほ、ほうれ!
            / _∧ `≧   ≦´ !ノ ∧        ここが妾のお勧めの食事処じゃ!
        / ∧ 人 '''' r―┐''''ノi / ∧        ここのラマーの酒蒸しは絶品でのう!
          / /  V_ム>ゝ= イ<ムi /  .ヘ
.         / /  / / 〈〉ー-v-‐〈〉∧     \
        / ,'  / i  i il\/li Vハ        ヽ
.      〈 / ,イ  i! 」 .ll.:.:.:.:.:.ll  i  !=ー‐´ ̄




         ___
       / ⌒  ⌒\
      / (⌒)  (⌒)\     わ、わー!
    /   /// __´__ /// \    楽しみだなぁ!
     |       |r┬ |    |
      \       ゙ー'    ,/
      /⌒ヽ         ィヽ
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|    ──────────────────────
    | ヽ〆        |´ |    その宿にナギ派の主従が無理をしたような笑顔で現れた。
                          宿のおすすめ料理を度々口にしながら、
                            ちらちらと後ろを振り返っている。
                      ──────────────────────

592 名前: ◆ja6Rq/0cd6[] 投稿日:2011/03/05(土) 20:41:29 ID:3AV26z/2


                                   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
                                  /             \
                                 /       " ̄ ̄`    \
                                 l  '´ ̄`   (  ●);;:::    ヽ
                          チラッ   l ;::( ●)    "''"´       l
                                |  ´"',                |
              ,  --――-  _        l    ヽ              i
.              イ: : : -――- 、: : : ``丶、
.            /: :∠ -――- 、  ` < l: : ` 、
         /: :/: : : : : :./: : : : :`丶、 `l: : : : : \
.         /: :/: : : : : : //: : : : : : : : : :\|: : : : : :l: :ヽ
        /:/: : : : :./: ://: : : : : /: :l: : : : :|: : : : : :|: : : ',
.       /:/: : :/: : :/: :///: :. : :.イ: : ll: : :.| :|: : : : : :|: : : :.',
      /:/イ: :/''" ̄ ̄   ̄\/ |: : ||: :.:.|: |: : : : : :|: : : : }
      イ/ └r'    `ヽ    _,.>' L: :/: |: : : : : :|: : : : l
      |: : : :|  _            `ヽl : : : : : |: : : : l
      |: :. :.ll '"7ヌzミ            〉: : : : :l: : : :/
      レ___」.} 弋_cノ     -テモ=z、 ,': : : : : l: : : ,'
.  チラッ.   | `"        弋゚cン` /: : : : :/l: : : l
.         l     ,      `゛¨  //: : :,イ::|: : : ',
           ',              〃―" ,ノ:::l: : : :ヽ

593 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:42:26 ID:3AV26z/2


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   ,;,,    ,,,,,,,;;;;;;;''''''';;;,,,,,;'       | :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |            ,;''';,;' ;'''';;;,,,;'''  ';,;'
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      ;;;'';              ノ .:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....ヽ                  ''''';;;;,,,,,,  ''';;,


──────────────────────
        ナギ達の視線の先には
    暗い空気を纏ったやる夫の姿がある。

  よほどドワーフ族との交渉失敗が堪えたのか、
それともこれからの動きを必死に試算しているのか。

  その内面を外から伺い知ることはできない。
──────────────────────

594 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:43:16 ID:3AV26z/2


     /´               \
.    /         、 ヽ. ヽ \  ヘ
   /       |   !  |  |  |  ヘ
.   ′.|   |  l   |! ー|ヒ.斗L..」 ̄   ハ
  | |   |  l//  ̄ ィfチハミ! !       i    やる夫。
  └‐:L..斗く´ィチハ   弋り | |     |    着いたみたいよ。
         ヽ.ヘ弋り '   u. / /       |
        ヽハ、 ri⌒h .イ / !       |
            ∨`{__/´ ̄ ト.|      |
            | /::::/     |:.:l ./   |
            |イfニ7    |:.:| /      l
            ト〈::/   //.:.:j.′    l





           r‐┐
    /\   |  |
    \  \ |_|
    <\ \/    ___
     \>     /      \
          /ノ  \    \     あ…
        / (●)  (●)    \   そのようですね。
        |   (__人__)        |
        \  ` ⌒´       /
        ノ            \
      /´               ヽ    ──────────────────────
                                   梨花が声をかけると、
                                やる夫はようやく顔を上げた。
                             活気に満ちた冒険者宿がやる夫の視界に入る。
                           ──────────────────────

595 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:43:53 ID:3AV26z/2

           ___                       ___
       _______|二l二|_______________|二l二|__
        |土土|二l二F土土土土土土土土土土土土土土|二l二F土|
        |土土|二l二F土土土土土土土土土土土土土土|二l二F土|
        |土土l二l二F土土土土土土土土土土土土土土l二l二F土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
        |土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土土|
      |J : : : : ,.'⌒ヽ: : : : : :,.'⌒ヽ : : : : : : : : : : : : : : : : :____ : レ|
      |J : : : :├┼┤ : : : :├┼┤: : : : : : : : ,ィニニヽ: :| Pub| レ|
      |J : : : :├┼┤ : : : :├┼┤: : : : : : : /Λ 人 Λ', ¨不¨¨ : レ|
      |J : : : : lニニゴ: : : : : :lニニゴ : : : : : : : ト|<(__)>ト|: :|「l|.:.: :.:レ|
      |J : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ト| l l∨l l ト|: :`¨ : : : レ|
      |Jュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュェュト| l llェョト|ュェュェュェュレ|
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            │    って…      >        \              /
             \________/

596 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:44:29 ID:3AV26z/2


     ____    ━┓
   /      \   ┏┛
  /  \   ,_\.  ・
/    (●)゛ (●) \    ここか?
|  ∪   (__人__)    |    平民用の冒険者宿のように見えるんだが。
/     ∩ノ ⊃  /    梨花様とナギ様がいらっしゃるのだからもっと良い所を…
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /




         ,___
       /     \
      /  \   / \
    /    (●) (●) \     貴族向けの店は高いじゃないですか!
    |       ___'___    |
    \       |il!|!il|  / l!|
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |         ──────────────────────
    `ー、_ノ      ∑ l、E ノ                梨花やナギのような王族、
                レY^V^ヽ ドンッ!      そしてやる夫のような大貴族が入るには
                                   相応しいとは言えないそこに、
                                     やる夫が苦言を示す。

                              できる夫はそれを当たり前のことのように否定した。
                             ──────────────────────

597 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:45:24 ID:3AV26z/2


     ____
   /      \
  /         \
/           \    ああ…
|     \   ,_   |    はいはい。
/  u  ∩ノ ⊃―)/
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /




      .′ : /: :/: . イ: : : | |i: : .ヽ: : l: . : :i i
      i.! : : i|: :|: : : i |. :| . . l :|| : . .|| :|: : :| l
      || :|: :|! :|! : _」 L⊥: ⊥ハ: : :|! : || : : |:.|
    ∧||: |: :|:/´  _ノ      ̄ `ヽ|l : :i.|:.レヘ
    〈. |l i:l:. :{        `^ー     |l: : リ: | ノ
     ` |从. : l                j.l : 从:|´   まっ、妾も庶民舌じゃからのう。
        |.:.{`ト{ ≡≡′    `≡≡' イイ }.:.:!    貴族向けの店というのはどうにも肩が凝る。
       |.:|トミ.!                レノ.i.:.:′   実も利も取る賢い選択じゃろ?
       |小: :.:.:、     '   、   ノ:.: :/:/
       |:.:ハ :_ :\   ー、―‐ノ  /--v':.l{
       |/:.:.:i´ i`{:.i`i .   ̄ ィ:´i:.j  }:.:.|
       }:.:.:.:.|  |:.|i:}    ̄  {:.:.l|:|/ ハ:.l       ──────────────────────
       ノ:.:.:._:|  レ'         ` ー|  ト :.:.|         できる夫の金銭が絡んだしつこさと頑迷さは
     f:. ̄::.::.|, -、} ___      __/  j::.::.` ー..、            やる夫の良く知る所だ。
                                   問答は時間の無駄にしかならないだろうと、
                                     やる夫は早々に説得を諦めた。

                                      そこにナギのフォローが入る。
                                ──────────────────────

598 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:46:19 ID:3AV26z/2


    !: : : : !: : : : : : |: : __√ ̄   ⌒ ヽ_!: : : : |: :|
.   !: : : : !: : : : : : |/    、         \: :.!: :!
 /\|: : : : |: : : : :! :|       ヽ     ,.    }V: : |
/   |: : : : |: : : : :|: |              __    ハ : : :|
\.  |: : : /|: : : : :!V  ==ミz       穴ト、 /: : : : |     それに…
  \.|: : / V|: : :.!            ん!リ  /: : : !: :|
.    V:人 い\:|              必ソ  /: : :./: /     もしかしたら梨花殿が興味を持つものがあるやもしれんぞ?
    }: : : \_                、    ん: :./∨
    |: :|: : : : :込               ハ: ∨!
    |: :|: : : :/ : :.\    `ー- 、_     人: : : :|
    |:八: : : : : : :.|. \         , ィ: : : :/|: |
   〃: :>‐、: :/:.!  ` 、    ,. <: : : : :./: ∨
   /: : : {   }/|     ` T: :.ん--、 /: : : |
  /: : : :.|   |         `/   人_ : : : |
_,/ ̄ ̄/   /         /   /::::::::::>┴- 、






.        /:/.: ./: :/: :/: :/: : |:ヽ: :/l:.: :.l
.      }/: : /: :/: :/: :/|: :|.:|: : V: |: : :|
.      レ': /.-/: :7‐/ |: :|:.L.: :|: :|: : :|
      /!:.:/└,ィホ〉'   ヽ|」 l:.ト、ハ :.:|    私が?
      |: :|: : :|.ヒ_ソ    ィホ〉Yl lゝ|: :|
      |: :|: : :| ,,,  '   ヒソ 八|: :|ヽ}
      |: :|: : :|\  ‐  '' イ:|:.:|: :|: :|
      |: :|: : :|: : |/`. フ〔: : :.l :|: |: :|: :|
      |: :|: : :| ̄>≠=、<>-.|: |: :|: :|
      |: :|/l :| /`{ i! } /:/ `ヽ.:|: :|
      |〈:| :l :| l| `ァァ' /:/  ,  |.:|: :|
     r彳:/ヽ!.:|=ミ、  } } {.{_/  l.:|: :|

599 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:46:56 ID:3AV26z/2


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600 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:48:20 ID:3AV26z/2


                         _________
 .         __   _____. |\._______\
    ,       |l└|   |:: :::::: ::::::::| .| |;;;;| i――――――‐ |:: .
               ̄    |::::::::::: ::::: |' | |;;;;| | II .II   _ :::|::;;;| |:::::      ,        .
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ; ||:;;|ロロ|_|iii.Å、| |:::
          |    ガヤガヤ       |―――――― |::
          \__________/ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄ ̄| |
          _/――l_ |.  ヽ| д^,,). |;;;;| |    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\    .
______( ̄ ̄_ゝ ̄\   |∞ |)_|;;;;| |___|    ガヤガヤ      |
          / ⌒ ⊃cロ  \_ |   )~         \___  _____/       ;
          ノ____/\\     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |/ ̄ ̄\
        └┬┬(_ノ::\\.__________________\
          └┘_\_.\___________________|::
              └┬┬┘::   ___     ___    ___  |;;
                └┘\_  └┬┬┘   └┬┬┘   └┬┬┘ . |::      .
                       ̄ ̄ └┘ ̄ ̄ ̄ └┘ ̄ ̄ ̄ └┘ ̄ ̄\,;
                       ∧ ∧  モフー       ∧_∧         \
―――― 、  i\         i\(,*''∀) =3 ―――‐ (∀・  ,)          \'
        \|\i       |\i  つ (:: )  .  ◎ と   )i           .\  .
         \.|        |\|、  ,\  ◎     (:: )  \ノ_|            .\ .
.――.i.ニニi―┰'|   .      | ̄ |-' `┰――.i.ニニi―┰ |              \
,. |\|__|  ┃                   ┃. |\|__|  ┃              .  \.,
    |    |                           |    |                         \


                          ──────────────────────
                             明朗なベルの音を鳴らしながら店に入ると
                                  店内は人で溢れていた。
                           その殆どは冒険者宿なだけあって平民の冒険者だ。
                                   皆が会話に夢中で
                           梨花達が入ってきたことを気に止める者は居ない。
                          ──────────────────────

601 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:49:02 ID:3AV26z/2

                                                  /)
                               , ^  ,                ./;:::|
                                /     > ,              ̄ |::|
                             ,.:'::::ヽ_   _ _   > ,            V  ,.-┐
                         /::::::::::::::)  ¨ミ丶               _,.:::'´:r'´
                          ,':::::::,<::¨::>    ̄          `::...、    {_/l::::!
                            /::<>‘_:_:::( __ __ _ ...........::::::::::>      !:::!
                         ,<≫.‘´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::.."......      `´ /〉
                  ,<≫‘´   `ー―::::―――::::::::――::::一::":::::::::::::::::::...    ┌'´::::「
              ,<≫‘´         ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....  └'´|:::|
             ,<≫‘´                                      凵
          _r<≫‘´                                          ○
     ,c‘:;:::r/                                             o
  ,.:‘::::c/::://                                              ゚  ∧
.<:::::::::c//,ヾ}                                          r‐‐-、   /::: 〉
 \::::::/,ヾ}                                            `ー一'./::/
   `´ヾ}                                                /::/
                                                    /::/
                                                .   〈_/

──────────────────────
          その喧騒の中
   澄んだリュートの音色が一音響き渡った。
──────────────────────

602 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:49:47 ID:3AV26z/2


  /: : : :.i: : : : : : : : :.:.l、: : : :l: : : : : : : : : : .:. : 、: : : : : : : : : i
  /: : : : :l: : : : : .:.:. : :.:l ': : .:.ト: : : : : : : : : .:.:.: : i:. : : : : : .:. : :l
 i: : .:.:/l: : :i: : :.:.:.: :.:.:l X / ヽ、: : : : .:.: : :.:.:.: :l:.:. : : : : .:.: : :l
 l: .:.:/:.:.:.i: .:l:.:. :.:.:.:l:.:.:.l/ l/=ニN: : : :.:.:. :.:、:.:.:. :l:.:. : :. : :.:.: :./
 l .:.ハ:.:.:.': :l、:.:.:.:.:.l i:,イ 〃f::゚ハ l: : .:,イ:.:.:.:.:〉:.:.:.l:.:.:.:.:.: :.:.:.:.:/    今日も満員満員っと。
 l:./  :.:.:.:ヽl:.'、:.:.:.l ヘ:l. l' 弋/ ,: .:./ l:.:.:.:/ へ:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/     さぁて何を弾こうかねぇ。
 V   ':.:.:.:.`i:.ヽ:.:.l、リ   ´  , :/ l:.:.:/  ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l'
.     ヽ:.:.:.:l、:.:ヾ:ヽ      ' ´  .l:.:/    ヽ:ト、:.:.:ト、l
      ヽ:.:.:lヽ:.:.:.:.:.}     ,    l/     ヾ \il
       \.i. \:.:ノ._   /            `i
        ヽ  ヽ:.i:.:.l` ー、_     /    _... -└- ..
            ヽヘl   ヽ_ / ヽ, .. - ''        l
                  __r ''           .l
                  /   l .i        , - '' ¨ヽ
.                 /  i  l l     , '
                 i /l / .l   /   ,, --




  ┌┐   ┌──┐       .      ┌┐
┌┘└┐ │┌┐│    -‐''""''ヽ .    ││      ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
└┐┌┘ │└┘│ ┌∥      ヽ─┐││     <  よっ。待ってました!  │
┌┘└┐ │┌┐│ └∥       〝,>┘└┘      \__________/
└┐┌┘ └┘││   ∥  _,.:--'´    ┌┐
  ││       ││   ∥./~       └┘
  └┘       └┘   ∥     ,   ))           ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
       ,、      ,、   /'ll__/ ヽ             <  あれやってくれよ。「騎士やらない夫vs青鮫河賊団!」 │
      / ヽ__/ ヽ/ _∥   _  ヽ.    ∧___∧    \_______________________/
    /       /  ´ ∥ー/  `   l ロ. / _    _
    / ´ 、__,  ` |.    ∥∨      ,! || | l--l `
   _l    ∨    ヽ/ ̄)( ̄ ̄`"::::ノ (⌒ヽ, ..ヽ/   ,      ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  ( ヽ_        /   /ll `'ー、....::ノ ∀\/ー- /`l  ヽ    <   えー。「やらない夫の赤の森珍道中」のほうが好きだなぁ。 │
   ヽ、       ,ヽ:..:ノ ∥   '::::|⊃  iー- l (_〕i__      \_________________________/
     l        .::::Y  ∥    :::|   |"|ー-,|   |

──────────────────────
 リュートの持ち主は目鼻の整った優男であった。
   弦の一本一本を丁寧に弾き、調律していく。

 観衆 ―酒場の客― は優男が酒場の一角に作った
   小さなステージの上に立つと歓声を上げる。
──────────────────────

604 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:51:07 ID:3AV26z/2

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::::::::::::::::|/        ヽ:_ト、_|: : : :| : : !
::::::::::::::::|      ヽ      \:_ハ: :.!:!
::::::::::::::::|'"¨不トミ             }: :!:|
::::::::::::::::| ん::::!}       ー   ハ: |:.!
::::::::::::::::|、 v:少       _   /: :.小|     お、良かった良かった。
::::::::::::::::|、、¨        不ト、 厶イ: :/     間に合ったようじゃな。
::::::::::::::::|         ん:::!} /: : : Ⅳ      お主らも早う入らんか。
::::::::::::::::|      、 ヽ.少 /: : : : |
::::::::::::::::|        、、 , ': : : : : :/
::::::::::::::::|         厶/: /: :./
::::::::::::::::| rュ      /  V√V
::::::::::::::::|      ,. ィ
::::::::::::::::|_,.  -r<:.|  !
::::::::::::::::|: : : :./: : : :! .!
::::::::::::::::|: : :./!: : : /  !
::::::::::::::::|: : / | : :/  /





.        /:/.: ./: :/: :/: :/: : |:ヽ: :/l:.: :.l
.      }/: : /: :/: :/: :/|: :|.:|: : V: |: : :|
.      レ': /.-/: :7‐/ |: :|:.L.: :|: :|: : :|
      /!:.:/└,ィホ〉'   ヽ|」 l:.ト、ハ :.:|    吟遊詩人、かしら?
      |: :|: : :|.ヒ_ソ    ィホ〉Yl lゝ|: :|
      |: :|: : :| ,,,  '   ヒソ 八|: :|ヽ}  ヤラナイオサン? チンドウチュウ?
      |: :|: : :|\  ‐  '' イ:|:.:|: :|: :|           ____
      |: :|: : :|: : |/`. フ〔: : :.l :|: |: :|: :|         /      \
      |: :|: : :| ̄>≠=、<>-.|: |: :|: :|        /         \
      |: :|/l :| /`{ i! } /:/ `ヽ.:|: :|      / U  _ノ    ヽ_  \   赤の森珍道中…?
      |〈:| :l :| l| `ァァ' /:/  ,  |.:|: :|      |     (一)|lil|(ー)  |   まさかあの不祥事が外に…
                             /     ∩ノ ⊃_) /   いやいや…
                             (  \ / _ノ |  |ボソボソ
                             .\ “  /__|  |
                               \ /___ /


──────────────────────
      優男は吟遊詩人のようであった。
詩曲を作り、各地を回ってそれを披露して生計を立てる。
 書物が発達した最近では希少になってきた存在だ。

    だがその人気たるや凄まじい物があった。
     各地を巡って見識の広い冒険者達が
        こぞって褒め称えるのだ。
      さぞや腕の良い唄い手なのだろう。
──────────────────────

606 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:52:20 ID:3AV26z/2


                           .  ´/  _.ヽ-― 、    ` ー 、
                          /  / --―7─ 、─ ヘ──< ̄ ̄`
                         ノ  /     ′ . :    '、   ヘ
                        /   /      l , ヘ/  / }  '.: . }
                        {   / .:/    /|/- ヘ: : /}メム  i、: '、
                        l :/. :/:    l ,彡;三 |/ ミ、 '.  j ゝ\    いやー。
          {゙丶、            Vィ: :i:   ,、 { ⊂⊃___ r⊃l} /        人気者で困っちゃうなぁ。
           \  ` ー  _      ハ : : |: / ト! f ´` ー──ム  }′        なっはっは。
            r`── __  `ヽ、    >: :|/ >   {: : : : : : : : : : | /
           ` ーォ    `丶、 \ /'"|: : :ゝーヘ   \: : : : : : //  __
             /       `  >´ ̄丁丁  >─->- ´∠ - ´__ノ
            ゝ─ィ     / ./    l:.:.:| /     ヽ, -っ __>__
               {__/    {__ハ    ノ:.:/./     、  V-' /     \
                {  /// l    |:ノ./   、 、\ノノj-/   -、 i i }      \人_人,_从人_人_人,_从,人/
                `´`¨ゝ'¨¨ヘ    l /   /77´l_)'´/  ォー<ノノノ       )    すまんの!    (
¨¨⌒ヽ、__            ./`¨¨¨¨゜.    V   /.//  !  '   /            /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
、,}-、   ノ   ,   ̄` ー ´      i   /    /.イ´  l ., ′ ./
   〕  i    /                '. /   /'  i  /   ./




                    イ    /  |   !   : : : : : : : : : : : /: : : : : :
                  1  .:  l   :l   !   . : : : : : /: : : :./: : : : : : :
                  /.  : : .l   : !   !   : : : : : /!: : : :/ヽ: : : : : /
                   |  : : : : :  : :A--l、  : : : :/ l : : /  l : : : /:
.                 |  : /: . :   /_ ! `  : :ヽ/ヽ、 /   l: : :.ハ
                  !  : ハ: : : .  :{.{!ト心、 '. :  /  l/` ==!: /  !
                   '.  :l ' : : : . :!.弋り ヽヽ : / ノ ___.∨         ん?
                   '. l.  ヽ: : . ! ! ` ̄´ .∨   ´厂 ̄l!``ヽ、 /
                   '. |   ヽ : ト、!          ゝ、__ノ   ."/:
.                   ヽ、   ヽ:! ト、  /          ̄ ̄ /: :
                        ヽ ヽ ヽ                /イ´
.                           ∧            ´
                         __{. `ヽ 、            ,
                         /´ ノ  ! ヽ `丶       ,  '
                  ______ '´   {   !  !丶、   ,  '     /    ──────────────────────
.           _  -‐ ' "´ ̄       j    '. |ノ   ̄        /     その吟遊詩人にナギは群衆の中から声をかけた。
        /´                  !      ヽ!             /         ナギの良く通る声に吟遊詩人は気づき、
     /                  !        ヽ            !              視線をこちらに向ける。
                                              ──────────────────────

607 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:53:42 ID:3AV26z/2


         /.   / /    /1 _/! |    i!  ||!|    |        \
        .'/   .' / /    / !/  ``    i!  ` ヽ|\  |    ヾ ヽ、'.
.       /   / / / _..-'´                   \ |   |:.: \| ヽ!
      /ィ   |∧_..イ   - ― -      - ― -    !   !:.:.:  ヽ
     /   /:.:.:.:.:.:.:.:ハ      __           _       ヽ.  トゝ:.:.:  '.
      ∧ ∧:.:.:.:.:.:.:∧|  zテ:てミゝ`       ' ィzぅ:テミ、  /`Vヽ .:.:: ト  !
      V ∧:.:._イ⌒ヽ  込zク         らz少   /´ i! !:.:.:.:.:| )ノ      今日は聞かせたい友人がおるでの。
          / .'´ ∧ Y`                   )ハ八/!:.:.: 人       「統一王の王剣」を頼みたいんじゃが!
        //  /.:.:ゝゝ          i         r ノ  八/ヾ. \
      '  ' /.:.:..Y'⌒vー、      _____       √´ 一v':.:.:.:.:.:.::.:\ ` 、
     / ´ /┌─/    V∧     i/    `i     人!    L:.__:.:.:. _:.:.ヽ `=‐- ..___
    ' /:.:/  /     /  ゝ   、      !     イ  |   |   `Y   `ヽ:.:.:.:.:.:.:.:..   `
-‐='´/:.: .'’   人   ,.イ    !  ` ._ `ー― ´ . '´ | 人   ヽ.  |      ト、― - ,,_:.:.:
.:.:.:/:.: /  ./   V :: |   _ヽ___ >‐- r <  __j____ヽ'⌒ヽ! ハ     ` . 、
.イ:.:.:/   /     / ::: |  |: : : : : : `ヽ_j___i_,. -‐'´: : : : : :j ! i  V         !:.:.\
イ:V'     /   V ::::::::|  |: : : : :` ー: {: : : } -: : : : : : : 7  | ,   !        ヽ.:.:.:.:ヽ
/:.:.|    '    i!::::::::::|  `ー──z フ‐く:-:r───'  /   ル   \   |:.:.:.:.: !





            /:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
               |:.:.//,ィ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
.  ,. -─────∨/メ、|:.:.:/:.:.:/:.:.:./.:.:.:.i
  |          レ'レ'V ∨|:.:./_厶.:.:.:.:|
  |   ‐-、─── レ'rtz   V レ7:.:.:./:.:./   統一王の王剣かぁ…
  ヽ.      \    | ノ   モソ !:.:./:.:./    あれはいまいちウケが悪いんだけど…
   \    /⌒ヽ、 | 、     レ勾:/
.     \ /     `ー\     _,. イレ′
        /      /丁`7,二 -‐'´}
     〈      厶〈// |   /\      ──────────────────────
       \  }    7Y´ | /   \
                              ナギの頼みに吟遊詩人は少しの難色を示した。

                            ──────────────────────

608 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:54:48 ID:3AV26z/2


          /厶r‐―― 、\: : : \
         /: : : : :!: :/|: : : : \\: : : ヽ
        rv'./: : : : _/ ! : : : !: : \!: : : : ',
        |//:./ ̄   ⌒ヽハ: : : :.! : : : : |
        | V{   -'      \:ノリ: : : : :.!
       八: :! rぇ、    `''   ∨: : /: : |
         V} ヒ:リ    Tテト、/: : /: : / ダメカノ?
          } :::::     ヾソ イ_:_ノ〉: /|
         人   '    :::::   ノ: /: |          , -‐―‐-、__
         /: /\ '' _    イ¨: /: : |         /       、 `ヽ、
          /: :i/ / ` {ヽ\イ ./⌒∧: : : |        /  / / / ヽ丶 \/
       /: : :.VY ⊂ニ  } イ  /  〉: : |        l  / _j___{___ム_>=イ   ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
       {: : ∨/  |Y’  ノ::ム._/ /'⌒'|        | |'´! -‐‐  ‐- { ! !  <  なにかあったの? │
       |: : //  /: |  iV: :.//    !          | l |    r┐  ル| |   \________/
       |:.〃.!`个:./|  |/: //‐'     |          | l |トィ⌒v⌒1′| |        /  ̄ ̄ \
       V/: |::::::V:::|_人://      ハ        | l | ∧. ∧. f ハ. l |       /ノ  ヽ__   \
       /|: : |:::::::::::{  ___V      /:∧       | | l:ハ| |/_| レ' j│!     /(―)  (― )   \    ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
                                | l /  V〈_/ ,イ.j八     |.  (_人_)   u |   <  いえ…その… │
                                                 \   `⌒ ´     ,/    \______/
                                                  /         ヽ
                                                 ./ l   ,/  /   i




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     i:.:.:./|:.:.:.l:.:.:. ‐ト:L_ハ:.:.:|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.l:.:/|:.:l:.:.j:.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|
     |:.:/. |:.:.:.|:.:.:.:.:.|斗=ミ\\:.:.:.:.:.:.:.:|:.:/|/_」斗ラ|‐:.l:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|    ふーん…
     |:,'  |:.:.:.|:.:.:.:.《 r':::::::`ト\\::.:.:.:.|/≦ェ==ミ、|:.:/:.:.:.:.:.:|:.:.:.:|
     {.   |:.:.:.|:.:.:.:.i:| V:::::::リ     \:.:| r '::::::::| 》|/:.:.:./:.:.:j:.:.:.リ
.         ',:.:.:.'、:.:.从 xxx         ヽ V:::::::ソ  /:.:.:./:.:. /:.:.:/
         ヽ:.| ` r、:ヽ           xxxx  /:.:/|:.:.:/l:.:./
          ヽ. | ``     j!        //ノ/:. /. |:/
            \.              / '´/_/ィ/   ′
              \   `    一    ,.ィ´:./〃       ──────────────────────
               l\       ,. '| j/               ・ ・
               │ \   ,.  ´  |             ナギがシナを作りながら吟遊詩人に視線を向ける。
              /!   ` ´       '、
                                       ──────────────────────

609 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:55:43 ID:3AV26z/2


                  /::::/::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::i::::::´ ̄ヽー、
                     /:::::::/::::::::::::::/:::::/::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::ハ::ヘ
             /⌒ヽ   ,':::::::/::::::::::::::/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::|::::|::::::::::::ハ::::',
          |   .}   !::::,イ::::::::::::::/:/::::/:::::::::::::::::::::::::::::::,'::::|::::::::::::::::!::::|
         ノ    ,'   |:::/.|::::::::/::::l、l:::/|/|::::::::::::::::::l::l::::/::::::|:::::::::::::::::|::::|
        / , -‐く   |/ |:::::::{::::::l/lヘ  |::::::::::::::://::/ |:::::,'::::::::::::::::::|:::|
      , -‐ '´     \    l::::::ハ:::::| ‐-、\!:::::::::::/__!/_l_:/_::::::::::::::::::|/    オッケー!
       /     _    \  ヽ::|::lヽ:|   ` Ⅵ:::/´ ィぅZマく|:::::::::::::::/::,'     美人の頼みは断らないのが俺の正義さ!!
    /  -ニ_´__`ヽ,    }   ヽN`:ト!      !∨   `ヾン '|/::::::::::/::/
    i          ̄ヽ、./     |:::|     ノ       /::::::::::/;|/
   ノ   、___   `〈 ̄`ヽ  Vト、  、_`  __,  ∠...イ:::// ′
   !        `ヽ、 / ヽ  ヽ ̄ ̄ ̄イ、:.:.: ̄:.:.:.}  /-'l;イ:/
   ,'   ____    Y  ヘ    \  /| ` ー‐_'.. ィ´:::::/l/
.  /        `ヽ、_.ノ     ヘ    ヽ'  |` ー‐ ´  /イ:/
./     ___ノ=‐-     ヘ     ヽ !     /`ー--,、
       ,イ /            ヘ    ヘ ヽ、  ./    / |




              _ ___
  _人_       ,. :'´: :,. -―‐-ミ:ヽ、
  `Y´     /: : : :厶ィ': ´ ̄ ̄ヾ : :\    *
         /: : : : : :.!: :M: : : : : }、: ヽト、:.\
        i: : :.!: : : レ‐' ` ̄⌒ ⌒" トヘ:ハ!
      ト--|: : :.!: : 、|  ー‐'' ´ `'ー  }: :.ト
      `ー‐!: : :!: : : :! z=≡   ≡z.{: :.ハ    _人_   にょほほ。
         ',: :.ハ :_Nとつ \\\ C VVリ   `Y´    美人は得だのう。
         i: :弋こ \ヽ __,.   }
         |: ハ: : :}\  /   1  /    _!_
        />=くf⌒Y ` {_  _,ノイ|      !
 _!_     /:.|   ヽ ヘ,、  _「 |::!:::}
  !    /: :.|  ,r‐┴く:ト、__i⌒!::|イヽ ,. -‐ 、      ──────────────────────
     /: : :∨ / 、    }:::::!C|: :|:イ | :}/ 、   \         吟遊詩人はナギの頼みを快諾した。
   /: : :./:/ /  `ーv-J:::::!::::|: :|/ V  し、__,__}         リュートを改めて構え、顔を伏せる。
  /: : : : /:./    /i::|: : |:::::::::|: :| /   /
 /: : : : :/:.人   ノ::::::|: : |:::::::::|: :|\  /!              観客のざわめきが静まっていく。
/: : : : :./: : : :`ー<::::::::::|: : |:::::::::|: :|: : : ̄!: :∧       ──────────────────────

610 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:56:45 ID:3AV26z/2


    /:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:',:.ハ
    /:.:./:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:',:.:.',
  ./:.:./:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.',:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.',:.:.i
.  ,':.:〃:.:.:l:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:!:.:.:.:.:.: ',:.l
  i:./{:.:.:.:.:l:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:il:.:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:l、:.:.:l:.:.:.:.:.:.:.:',′
  l/ !:.:.:.:.l:.:.:.:.:.l:.:.:.:.:.l.',:.:.ハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,:.:.,' ll ',:.:.:l:.:.:.:.:.:.l:.:.i      それじゃあ、
    ',:.:.:.:.',:.:.:.:.:',:.:.:.:.l`V≧ュ、:!:.:.:.:.:.:.:./l_:ムz仁',:/:.:.:.:.:.:.l:.::l      皆、ちょいとお耳を拝借。
    ',:.:.:.:.',:.:.:.:.ヽ:.:.:ト´l、ノ::Nヾ',:.:.:.:./´!イ_ノ::N`i:.:.:.:.:.:.:.,l:.:.:!      かの有名な"王剣"を統一王がどこから手に入れたのか。
     ',:.:.:.lヽ:l\:.ヽ ! `--‐′ ヽ、/ ' ヾ二シ' l:.:.:,イ:.:./l:.:/      これはその秘密の物語。
     ヽ:.:! `ヽ、\!`              /イノl:.:/ レ′     そして統一王とエルフの首長のたった一度の逢瀬の物語。
       ヽ!     ̄',      〈           /-イ/
            ヽ、  、____ ,    /    /: : :
              lヽ  `ー--‐ ´  /l    ./: : ::::::
  , --- 、_ ... ---、- ´ ! `丶、    _/  lヽ、/: : ::::::::::::
/´ ̄`丶、: : : : : : : `丶.l     ̄ ̄    .l,/: : :::::::::::::::::::/




                ,.- ァ        ` 、
             ,. ´/           \
            /  /      /        ヽ
              /  〈     ,.イ./7           i
               \,.イr-、V厶‐- 、 /      l    エルフ…?
                    / l化ソ   ァ‐、/  ,    !
             ,イ   .!  '    !ごノ  /      i
            //    \`   /  /       !
         ,.  '´/   /  `ーァ'  /      l
      ,.  '´,. - '´    /   ,∠_/,′       !
   ,. '´  /      / [>´\\   i          '.         ──────────────────────
  /   /,ィ    / .//l   \ヽ i         ヽ.              場に静けさが宿るのを待つと、
. /    ///    /  / /ヽ_i    ヽ! l             \              吟遊詩人は口を開いた。
,′  /' /  / ,イ / /、 /      \               \
                                          思わず出した梨花の疑問の声が静けさに消えていく。
                                         ──────────────────────

611 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:57:47 ID:3AV26z/2


───────────────────────────────┐
                                            ....│
::::::::::::::::::::::::l ::        /:::://::::;;};;;;;::::/、_l/                 .│
:::::::::::::::::::::::,|         /;-'''::::/_//l;;:::/: : /``ー、、_             .│
::::::::::,、‐‐-`'___,,,,、、   /''´...:: /:|;;;;/:l/ヽ: :      ``'ヽー―---、、__    .│
:::::::/-、`--ー‐-='、ヽ     /: l;/: /: :l : :ヽ                   │
:::::::l (、       ノ l   /:/: : /: : : : : l: : ヽ                   .│
\:::ヽ、二_‐_ー_-_,,,,ノ /::::::/: : : : : : : :  l                     │
::::::\:::::::::::..     /::::::::::/: : : : : : :   l                   ......│
───────────────────────────────┘


         ┌─────────────────────────────────
         │                               , ^  ,
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613 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:59:08 ID:3AV26z/2


                 ,rt、     ,-‐、             | ,rt、      ヾミ
           ハハ彡 /ト'ヾヽ   l=j, (,、        i`i`彡0fト'ヾヽ          ヽミ彡/
 ゞゝ──ゝ  /、 ゝX  彡ゝoノ ハハ/ソ/⌒ゝ       / ゝ 彡ゝoノ         /|  iヽ
        ( ' Y''''ノ\  彡 /、 ゝx彡ヾ > )、__ノ彡ミ= | 、ノ  彡くミヽノミ=       o,|   ||ol.
         `‐' ̄\ ヽノ  ( ' Y''ノ 彡く/彡'  \   `‐' ヽ____/ゞ | ヽ   へ  /〈|`‐' |〉
''''''''""""" ̄ ̄ ̄   〉____,/ | `‐'ヽ ヽノ |// |   |      |川リ ー'  |  ,;' ) / c|、____, |っ へ
"""" ̄ ̄     /\|リjilji   丶ゝヽ〉____,/ゝヽー'   /      | y ノヽ | / (ヽ   | 川リl |  ,;' )
-‐ _,,. .-‐   ヽソゝゝ     `''' 川リ|  `''' ,'ヽ 丿  /\// //  ヾ|      ヽ |ー| / / (ヽ
 -‐ _,,. .-‐  ,-‐'''" ゝ  ノ-ー'7ゝ ゝ  ゝ' ヽ ヽ   ヽソゝ/ //       ヾト、ノ ゝノ ゞ
 _,,.    -=━━| -ー / 彡   /  / / . .. ヽ 〉  ノソヽ/     __,. -¬ベY弋¬=- 、.__
    -‐'''""-‐'''ヽヽヽ/ / .:-‐' / // /   .  // / ゝ /ゝ   /厂/ , --  ヽ}}        \}_
    ,,,-‐'''""  _,..:-//,..:-‐'"// //_,..:'_,..:'  /ゝ/  < <    fブ ̄/              \ ヽ
-‐'''"",,,,,       /ゝ    /ゝ  // _,..:'  /      ゝ`  /ィ' /               ヽ.   :ヽ|
-‐'''""_,..:-‐'"_,..:-‐'"          /ゝ      /       ,/イ゙///  /          ヽ   ヽ  :::ト、
_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:-‐'"_,..:''   _,..:'  /   /  // // 」1' / .//   ,    /i   |:i ヽ i. ト、  ::∨
    _,..:-‐'"      _,..:''   _,..:'         /    〃 〈_/ / /イ',   / ,    / |  | | :::l ヽ!!  i:::::ト、
                                   /    ∧.イ / /  / /   /  |  | ト、.:::| リ  i:::::iV
. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━/   / ,.! .〃 /  / /:l   /   |   | |. |::::|:..}  .!:::::トト━━━━
                                  ,'    〃/ V/' / 下lメ、l ./     | ,|, ィ'|::.Ⅳ i. トi::::|ハ!
                                  {   // /ハ./  厶==ミ_メ、     イ,.|==tド/ ,ハ | ト、| |
                                     l/ 〈/ .i:::liく ら!::::j:i`      う!:::j::!/ ,ハ ハ:::::|
                                       j! i:::ハ. ヽ辷ゾ        .ヾ二ソ' /./ |. i:::|
                                       〃 i::|∧           :.     / / ハ! ,ハ. i::|
                                      / |  i::|〈`ト、       :i     / / // |i | V|
                                     〈 |  i:::| |:::::|\     ,.. ..、  / /,.1/  ハト. ||
                                      Ⅵ  !::| |:::::|  ヽ     '    / /' ,}! /イ|| |.||
                                       || i:;ハ.|:::::|  _,|::>  __. イ,.イ、. 〃 /}  ||. || |
                                       || !' |ハ:::ヽ「`_`ー―---一''´_'フ/ /_ノ  || ハ.|
                                   ___   | .|/||::ヽ__〉|:::: ̄ ̄| } ̄ ̄:::::/./二`=-―、.||
                               ,...:::'::´::::::::::::: ̄V:::::_ノ_r―'::ト、:::::::::::|  |::::::::__,,ノ /:::::::::ヽ二ヽ_:: ̄

615 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 20:59:58 ID:3AV26z/2


         /    ____ -ー==ニミヽ         /:::::::/
        ,イ ,ィ-ニ´ ./       弋ヽ.      /::::彡´     N
.       / {≠  / /   {      小       |::::::イ       |::|
       { .|  /./    ハ        ハ .,ィ、  〉:::::j        }リ
      爪 .弋彡´ ̄ ̄`ミ弋  |       ∨Yハノ::::ノ_,ィ⌒辷二彡' ,,zxxxxxxxミヽ、
     / ̄`     ` ̄¨¨ ー-N_____,イ イj:::ノ:::〉≧彡'    ,,ィ彡¨´: : : : : : : : : : :弋ー=辷二
   /イ      ` ー-=ニニ三三三彡' ./ リ彡 く ,ィ´  ,rツ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
  .,イ /          ヽ     ニ=< ___j__ ノ j  ァア: : : : -‐‐=ニ ̄ ̄ ̄ニ=ーt: : : : : :
  { {|:  i {     \ヽ辷三三ニニ===ー─<´ァ彡' -‐<              /: : : : : : :
 人从 .小∧  ト、 弋ミ辷二≦イ`ヽミ辷ニ=-、  ヽ         ____     /: : : : : : : :
   `ヽト、| .|:::トミ、 ', ヽ、ミ >イ::{}:)/  〉ー-=ニミヽヽ、 弋 -‐‐            ¨¨Z: : : : : : : : :
      | .|::弋fミj ソ ーイ  ー一⌒ / ノノ: : : : ヽミ \ 〉              /: : : : : : : : : :
      | ハ:::::::::::z /         /ニニイ: : : : : : : : : : ソ           /: : : : : : : : : : : :
ァ一≦⌒ |  ー───────────────────────────────‐
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      ヾ| Y´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄{ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l ̄トl ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヘ   >ー | |           |:::.               〉  ∧ ノ }辷_: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
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  ',     ハ.j 。\  / 人:::::..          /  | //        |        }: : : : : : :
  ',  ,イ   ̄ ̄<彡    ::::::::::::.....        /ー=ニ≠<          |        |: : : : : : :
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   ヘ           ゚ハ  ..::::>''´ ̄ ̄ ̄Z ̄´              /       |: : : : : : :
    ',  ,ィ  ̄ ̄ ̄ 弋 ̄´       /               /          |: : : : : : :
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♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    未だ大陸が一つで無い時代に王が一人居た。
    誇り高く勇ましく
    そしてなにより、人徳に恵まれた王が居た。

    かの王こそ今世に名高い統一王。
    かつてはその徳から騎士王と呼ばれた尊き人。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

616 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:01:20 ID:3AV26z/2

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.;,;ノ,;:;ヾ ゞゞ'|j.i:,j:,j|ミヾj:l:;;:|.,;;;:..:,;;.,;;:|ゞ;';i;r`、;:;ゞ;:';:;| l; ;:  .;|:   : .;|:; ;ゞヘ;'i: ;l.:i;;:ミ;:;ゞ;:";|;:ij;:l;,i.;j;|:'`'::;,l:';i:|:.  :|::';l:,
 ソゝゞ,:;゙;''`|,:j;;l;,:i|"゙`| l:; | ::;;;, ::. :;;| |i;li|;':;ヾゞ;ヾ;|;:  :l:   .:|  :r :|;;:ミ:;ミ;| '; i; ト、;:ヾ:;゙';;:'|;l:j:;|;,:ij;:| 〈;:;..|;';:;|    |;;':;.
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ノj;i:;i:l;i⌒ゞ|:l:j;,l;:i;|.  |;; ,;| ;; ::;;;:| :; | |li|l|"゙'^!;li゙'`|;:|: :,| ;i.  :| .:l; .;|:'゙ ';:|,l :i|:.|!,:;:':゙;;ミ ゞ|;j;,i,.;j;j:;:|.  .|;゙;l;|    |:';:;i
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;i;l.;;l;|;.   |.j:;j,;j.j;|;;ゞ| ;;!:;;, ';`イ:;;;: :;| lli;l!|   | il}. |:|: ;. .;| .:i,:  :|;: .;|.:.;|  ゙|:i :;l |:|  |li  |:i,;j:;j;,lj;:i|  ノ:|;'i;l:|    |;i:;;.
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;i;:ij;tーz_,|,i;,j:j:;k,|弋|;; ;l ;;j; j゙ ;;' ,;k;| ,jl从|   | k} |:j. ;;j:: .: :;|;;:. :;!: .;t .:;|.   |,|:i:;|;.i|.  |i|  |,i;,j;j:;i,:;lj;i、,k;:|;';j;l:|:;;, . ::j:;'l;



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    ある日の王は森に居た。
    最も心を許した騎士を一人引き連れ
    暗い暗い森を進んでいた。

    かの王、心優しく。
    臣民を喰らうという魔物を追いかけ森に来た。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

617 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:02:21 ID:3AV26z/2


                                  >‐‐-- ..,,_
                               , -'"     ソ///〉、 _,,..,,、
                             ,.イ_,ィ彡三二ニ/////〉,k''"´ : :.::;;〉,、
                             〆'´       . ゙̄7"    :.///ヽ,
                                    _,..,.イ . .:.:.::;:;;;/////,}ヾヘ
                                 ,>//,/. ,>‐''"''イ//////〉ヾヘ
                               ./::;ヾ:/>;;'"',/〉、/// ̄`|,//,〈ヾヾ》,
                              〃::;;.= //==''"⌒゙''=''ヘイ///三ミ)
                              //  '             ゝ//; ,;;;!
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 iiミ! ハ             i
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    暗い暗い森の中、
    襲い来る亡霊や魔物と戦いながら奥に進む。
    すると王の耳に婦女子の悲鳴が届いた。

    その瞬間、
    従者を置き去りに
    王はなによりも早く駆け抜けた。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

618 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:03:13 ID:3AV26z/2


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    /  l: : : : : : : : : : : :ヾ: ::l::::::::::::::::::::三三三    ::::::l:::::::::::::::::::/         ',
    ト  \: : : : : : : : : : :: ∨:::::::::::::::::::::::三三::::::::::::::::::::,-、;;;;:::::::/          }
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    l  \___/: : : /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      ヽ /         l
    l`ヽ、_____:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;x-'´        {           l
    l  : : : : : : : : : :/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/            ',          l


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    森を駆け抜けた王の目の前に
    突如として巨大な魔物が現れた。

    その身は山のように高く。
    そして岩のような肌を持った魔物だった。

    森の木々は魔物になぎ倒され、
    森の中にぽっかり広場が開いていた。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

619 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:04:14 ID:3AV26z/2


                                      , < ̄ ̄ ̄` 、|:.:.:;ィ 、
                                    /     ‐- 、   \|:.:.;:ィ.、
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                            / '´ ̄¨,>    - <  ヽ:   ∨ /: : :ム|:勹       ___
                           //   /     ヽ  \ ,.ハ:   V: : : : ハ/i/:ヽ、   / :/
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                           |j   |:  / .:.:',:.:!  \∧ z圷ヌ  :.:.:|¨ヽ/:.:!::::::/_//
                                 |:.:.:.| .:.l.∧-、  ' ヽ'`ー′ . :.:|_.ノニニ|ム二._<
                                 |:. /|:.:.:.:|:.:.:ヘ仏    ::/ イ ̄ ̄ ̄ ̄  \\\
                               \:.|:.:. !ト:.、:ハソ ;  __/ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘ  ヽ:'.、__
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.                ___      /: :/://: : : : ://: : 、 : : : :イ    V>、_< ̄ :|_: : : : : :ヽ: :{
                | i |     /: :/://: : : : ://: : : : 〉イ.: :j      〉水___上___:Y
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/_/_/仁こへイ:7----:  、: // : : /: :/: :/    _/7X/________|
::::::::::::::::::::::::::::\三三三/ /-{ | |/¨}|  : : : : : \: :イ_:_: /: :/  / ̄/::::/。。   : : : : : : : : : .:ヽ
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≠、::::::::::::::::::, ― ´イ/ / \\\\ \: : : : : : : : : フ ̄ヽ__/-― ´::::::::::/: :    : : : : : : : : : : : : |
  ヾ:::::::::::::|――― '′/::::::::::::::: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::::::::::::::::::::::::::::::::://:      : : : : : : : : : : : : .:|



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    王、それを目にするや否や
    その巨木のような足に剣を叩きつけた。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

620 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:05:16 ID:3AV26z/2


   `      !:::/:::::/::::: .;i::::: l ..:::::l::. :i:. :i::.. !:. ::::. ::::::i::..   l   / l:..l' ヽ
           !::/:::::/:::::: :i:::::: l. ::::::::!::. :!:. :l:::. !:. :l;::..:::::l:::.     !_/_,,/!」:::.,!
         l:::i:::::::!:::i::: :l::::::: .:!:::::::::li:::. :::!::. ::l::::. :l::. :!i::::::::l:::.    !''´/ l ヽ/
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         l::l:::::::!:::l::::::l !:::::.::!:::::::::l l:::.:::l !:::::!l::::..:ll::_;;!∠;;;;!_:::     !,rヾ,Y∠,,,,,,_
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           ヾ!::::li::::!:::::! ヽ:::::!l:::::::l !::::;! l::::;!"/ !。ヽ_! ,! l/i:::   i ! 、 ,!、;,;;,;,:\;!     _,,-''´:.:.
          ヽ:lヽ::!¨''l-_ヽ,,l_ヽ:::! l:::/ レ'    ヽ __,ノ /!:l:::   ! ! //`<¨¨ヽ;,:.`i_,r‐‐''":.:.:.;.:.:.:.:
               ` !`、::f¨ l   ヽヽ!レ'       ̄¨¨´   !:l:::   ! !,/ |:.:.:`!;.:.:.: ̄:.:,;.:.:.:.;,;,:.:.;,;.:.:.:.:
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             !: l:::::::::::::iヽ     ___,,,, -一     l:::!:: :::::::! l;.:,;,;,:.:,;.:.:,;,;/;.:.:.:.:.:.:.:.;,;,;,l;.:.;,;,;,;,
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           ,r'´:,;,;,;r! ! :::: :::::!-- ;,;,;,;_`;ヽ、_      ∠-'!:l:: :::::/;l !;,;,;,;,;,:.;,;,;,_,;,;,;,;,;,;,:.:.;,;,;,;l.:,;,;,;,;,;,;
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       /;,;,;,;,;,;,/ /;,! !" :: :::l;,;.:.:.;,;,;.:.;,;.:.;i¨´:.:;r 、;,;,;,;,;,;,`、レl:::::/;,;,;,;_;,-'" ____   ヽ;,;,;,;,;/:.:.;,;,;,;,;,;,;
      /:.:,;,;,;,;,;,;/ /;,;,;,! li  : :::!、;,;.:.:.;,;,:.;,;,:.;,!;,:.:,i ___`''ー----l::/‐''''´  /´:/ _,,,,,,,,_ ヽ_/;,;,;,;,;,;,;,;,:.:.
    /:.:,;,;,;,;,;,;,/ /;.:.:.:,;!l;,l  ::!;.ヽ;,;.:.:,;,:.;,;,;.:.l;,;,;l ヽ、ヽ   ,rl;!''ヽ   /:/ /_,r'''´ f´ ヽ,;,;,;,;,;,:.:.:



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    王の瞳が驚愕で見開かれた。
    王が即位したその時から共にしていた剣が
    魔物の皮膚に負け砕けたのだ。

    騎士としての伴侶とも言うべき剣を代償にしたにも関わらず
    魔物は毛筋ほどの血も流れない。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

621 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:06:18 ID:3AV26z/2
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           l           >-=..,                                ` |'、
              l .        ( ゙''=、.,, ~゙N_                           ヽ
           │ .         ', _   ゙''=、ヽ  ゙゙゙̄''ー―--=.,,_
            !        _ノ .ヾ.~`=.,,__,,ゞ;););););l:.:.: : : : : : : : '.゙ヽ、
               !     /´_,,..!;!;`/;/;/;/;/;/;/;_,,..ノ-―''''''―-<: : ヘ,
             |    i'/´ . . .ヾl;l;l;l;l;l;l;l;r‐''"          `ヽ、l
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               .    ヘ  . . . . : .!;ノ;ノ;ノ;ノ'"
              }   ヘ  . . . : ',l;l/
              !   /ヘ  . . : :',
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♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    魔物の豪腕が振り下ろされる。
    王は我にかえった。
    傍らの婦女子を抱えて背後に飛び退く。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

622 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:07:16 ID:3AV26z/2

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    彡彡≧ミミⅦ廴} ハ.ゝ,                  |::::| |
 、 _ ィイ三ミ イ>/  ̄  ̄7                  |::::| |
 フ7彡イ /≦ミ//   {{ //L               |::::| |
./イ川イ彡彡イ //廴人Y,/ilく_  `フ7             |::::| |
 }ハ彡イ三ヲ.//  O} ト、  ̄ >ヲr",              |::::| |
 イ彡川三ミハ{      ノ  ト=イー"                |::::| |
  //ノイ彡彡.ハ,,_.ィ'¨  人_!               |::::| |
 {ハイ彡彡ノ_|__,,.ィ':::{{  |ト、               |::::| |
   ノハシ  {ヘ  ̄ ̄`>.、 ̄辷}ヒゝ、_           |::::| |
   ̄" / ̄ `\  ////    ̄`>、≧:.、.          |::::| |
     /      \////           ト、      |::::| |
    {{       }}}ハ/             >、    |::::| |
     V      ノノノ              イハ}..   |::::| |
     ト、三三三彡ハ}           /::::::::Y }     |::::| |
   ハ/V/ ̄ ̄ 人}/\         イ \::::ノ}}     |::::| |
   /  \   / \//  >、 _ イ´il il 巛>>イ _  V/イ
.  人   /\/7   ー 、:::::/7ハ>、       {  {三三≧{O]≦ニ}
イV/..フ77 //       \//イハハ      |   r-Yニニヽ ̄
  \ {{O}}ヘ         }}イ::::::::::} }       |,,.イ{ハ_ノー-ー}



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "王よ! お引きください!!"

    王と入れ替わるようにして、
    王が最も信頼する騎士が飛び出した。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

623 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:08:08 ID:3AV26z/2

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♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    騎士は魔物の眼前に進み出ると
    銀色に輝く手甲を前に突き出した。

    すると手甲から眩いばかりの銀色の光が滲み出る。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

624 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:09:12 ID:3AV26z/2


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   ,, ‐" .、 .'i │ |、 ! l.l, l .l、  ! .| .″ リ  .l.|  .U゙.! ./  / / / .//   /  / .../  ,i   .゙ヽ、
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  _.- !、 、\.ヽ..l, ヽ.l ,!.l, .lヽ    !..l.  ,|, ,! .!   .‐  !  .l゙.l゙  ./    " ,/ ._..-''./    ./ .,i / -`'
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         ο            '''          -.ー- .... .  ,,
." ゙̄'''-'.'''''ー


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    魔物は光を嫌うのか、にわかに苦しみだした。
    目を押さえてひとしきり暴れると、
    地面に穴を掘って逃げていく。

    後には荒れ果てた森と大穴だけが残った。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

625 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:10:24 ID:3AV26z/2


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    ヽヽヽ: :ヽ:トキf=rネナョュ      ‐ゝ‐''"    l: .;イ/ f´-‐, ィ'":: .   :: : : : .: : :ヽ
 _,, -‐ヽ、ヽ、: :ヾ、 ゝ乂_j艾               ノノノ >'"´:: : : : : : : : : : : : : .   ヽ
 `゙'<.  ヾ ゝ : ヘ       ノi         /" /"´:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ
     ` ー---+、l.〉      ヽ          ,イ:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l
          |: リ.人      _ _       ノ l:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l
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    王が安堵したのもつかの間、
    王は再び息を飲んだ。

    傍らの婦女子の、その美貌。
    光が透けて見えるほどの白い肌。
    触れれば折れそうな細い腰。
    たおやかな髪から覗く長い耳。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

626 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:11:18 ID:3AV26z/2


                           _,..-‐''"´  ̄ ̄ `゙゙''ー- .,,,____
                           ,.-'"               - 、゙ニニ==‐
                       /                    ゙ヽ、゙ヽ、
                      /           i i i i、        ゙ヽ、\
                     /    /        l | | | ゙!゙!、ヽ     ヽヽ, ヽ
                    /   / /  /      //! .!| !. ゙i lヽ,ヽ  、   ヽヽ ゙i,
                   /   / i  /      //_i /_!|_r、,l |-゙、゙i、 ゙! ゙i  ゙i. ゙、゙i___ ,
                    //  /   ! /      // // l 「U´i |  ゙i゙!゙、 .! !  | |i |/
                 //  /   |i     / //_,〃_ i/   .!|,.-‐゙i!''i | |  | iレ!|
            ヽ─=='==--'- .,||   i_,ブ/ /   `/     i!_,.ィ;┬,|''i .!| ,' / i!
             `ヽ、,._ ヾヽ`''iー、゙i, -‐i '__,,.ィ''゙;;;:Tヽ'    ' '゙-- ' |/! /| / /
               //゙'''- .,_‐-`-、 ゙、  i、  `゙ー''"      i    /|i,イ //
                 〃  // .i`゙'''- .,,_ヽヽヽ,、          ヽ,    ハ |´
              〃   〃 /  / ノ /::i゙iヽ、ヽ、_            /    /.| `
               /   /_,.ノ,..-'ノノ/::::::ヽヽ::ヽ        ー-‐ '  ,/ i |
          __/__,..-─へニ三'"ノ::::::::::::::ヽヽ,. \         /、 /|
         / へヽ、'"´.:.:.i.:.:.:::::`ヽ、ヽ::::、::、:::::.:.:ヽヽ, ゙ヽ、   ,...、_,/,.|,Lヽ'___
        ///´   ヽ,ヽ,.:.:|゙i.:..:.:::::.ヽ;.:.:::::::ヾ、,.:,.=、v`─'‐'─‐ァ‐'''''''''フ''''二二つ ゙ヽ,
       ノ//      ヾi,::ヽ;::::::::::.:.:゙i:、.:.:.:::::::|i.::/       'ー''"´/ ̄___.     ゙i
      r'/;;i       ゙、゙!:::::i.:.:.:.:::::.:.|.:゙、.:.:.::::::V     ヽ    / /____ ヽ,,,,.-  |
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      ||!  i         ゙V;;;:;i;;.:.ノ_.:.:/_ヽ,_/     l、_/,i/ィレ=/     |     |
      i;|   ゙i,          ゙、-= '´゙iV/.:.:`/      |7‐'".:.:|/::/      .!      .!


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    "エルフがそんなに珍しいか"
    と婦女子が問う。

    "ああ、こんなに美しい婦人は初めて見る"
    と王が答える。

    エルフは微笑んだ。
    王も笑った。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

627 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:12:23 ID:3AV26z/2


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.....‐-ミ ::..:V: / :〉. , 〃___{儿儿儿儿}癶畄畄畄畄畄彡′:;;:;;::;:; ; |vvvvvト、::::::::| |:::::: 「 |:::::::::::ノ
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..     . : :; ::::::;  畄|::::!|: : .  |/::::::::::::::::::::::|:::::::::::::|::::::::::::: :;;;__,,.. .-‐ ''""~ とる .}《 }〉
       . : :; ::::::;  :|¨´::::l|:.:.:.ヽ |::::::::::::::::::::::: |::::::::;;;;;_,..-'''" : : : :   γヽ  (   〈`〈ソ
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     . : :; ::::::;   :!:;::::::::::::::::::::l|::::::::::/ : : : : : : : : : : : :    /:レ`ーァ   |j |j
      . : :; ::::::;   .;:::::::::::::/""゙"""´ : : : : : : : : : : : :     ι'¨ι′


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    王はエルフの里に招かれた。

    暗い暗い森を抜けた先は光に充ち満ちた森だった。
    天上から挿し込まれた色彩で飾られたその都の
    なんと美しいことか。

    雄大で壮大で、
    如何なる財貨にも勝る美しさであった。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

629 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:13:23 ID:3AV26z/2


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      ||!  i         ゙V;;;:;i;;.:.ノ_.:.:/_ヽ,_/     l、_/,i/ィレ=/     |     |
      i;|   ゙i,          ゙、-= '´゙iV/.:.:`/      |7‐'".:.:|/::/      .!      .!



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "さて、人間よ望みを言え"
    "エルフの首長の命の恩、返さねば誇りに傷がつく"
    エルフは言った。

    王は答えた。
    "あの魔物について聞きたい"
    "あれは我が臣民をも喰らう悪しき物"
    "必ずや討伐せなばならぬ"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

630 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:14:16 ID:3AV26z/2


           ∨//////へ__::::::::/: : : : : : : : : :    l  \   __/////
            ∨//////// `≧-x、__: : : : : : :   l l  _>彡//////
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       レ- : : \:::::::::::::::;;;\////////  \ / ヽ///////////;;;----`}
     /: : ::::::::::::::\:::::/:::::::::\/////l    Y   l/////////´::: ,   `ヽ、
    / ̄/´`ヾ、:::::::::::::ノl:::::::::::::::\///::_: : :      l////////:::::::::/: : : :   l
  //  ∧  :::::}:;--イ:::::\:::::::::::::::\{: ld: :     _  l//////::l\/;;;;;──、 l
. l  イ  i´::::`i_:::::レ   l: : : : `゙ヾ-----:l: `゙ゝ´ ヽ レ .ノ//// :::::::l  レ───ミミ l
.{  l:::l___l:::;;;;;;; ∨  /`ヾ、; : 三三三三:l: :     /三三  :::;ノ  {::;;----二ヾ.l
.ト_∨ヽl´    /´ ̄\: : `ヾ 三三三l:      l三三三  / ̄/`ヽ l   Y
{ \_l     /二二ミヾ、\: l:::三三三l:.:     l三三三  l::::::∧_,x-'´i´ `iヽ、\
.lミ二>  /´ 二二ミヾ、 \ l::::三三三l: :/´`i  l三三三.  l::::::レ'::::::::: ノ  l  ヽ_}
.\二>  l /: : : : : :\ \: ::l::::三三三ミヾ='´: /三三三  ノ:::::::::::::::::::/\_ノl  ト,
      {/: : : : : : : : : : \ `:l::::::三三三三三三三三三  l::::::::::::::::::::/__/ .{::::  l
      レ'´ ̄ ̄\: : : : :ヾ:l:::::::三三三三三三三三  /:::::::::::::::::::::´   ノヽ:::: l
     /l´: : : : : : : : :\: : : : l::::::::三三三三三三三   l::::::::::::::::::::    /::::_ソ
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    /  l: : : : : : : : : : : :ヾ: ::l::::::::::::::::::::三三三    ::::::l:::::::::::::::::::/         ',
    ト  \: : : : : : : : : : :: ∨:::::::::::::::::::::::三三::::::::::::::::::::,-、;;;;:::::::/          }
    l \_二二二二彡'´l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/   `Y       __/   l
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    l  \___/: : : /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      ヽ /         l
    l`ヽ、_____:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;x-'´        {           l
    l  : : : : : : : : : :/:::::::::::::::::::::::::::::::::::/            ',          l


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "魔物ではない。あれは神"
    ”大陸南西、魔の半島"
    "そこを牛耳る邪神の従僕神"
    "地底を這って奔放に贄を食する者"
    "奴は特にエルフを好んで食す"
    "掟で森を出れぬエルフは奴に手を焼いておる"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

631 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:15:30 ID:3AV26z/2


                                   __
                          _..,.,.,.、、、,.,.,_ _,/´ ̄`ヽ、
                        ,.:.´:.:.:.:,:.:.:.:.:.ヾ:.:/`:.、      )
                       ,:´:.:,:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:;.:.:.:.:.:`:.,
                      ,':.:.:./:.:/:.:.:.:.:.:;i:.:.:.:.:.li:.';.:.:.;.:.:.'.,
                     ,':.:.:.:,!:.:.!i:.:.:.:.:.,','!.:.:.:.:.|!:.:',:.:.i:.:',:.',
                     !:.:.l:.i:.:.il:.:.:.:.///|:.:.:./ l:.:i!:.:.!i:.:.i.:!
                     l.:.:!:.l:.:.|レ'/i/i/:|//  |:.l!:./!:.:liノ
                        'i;:i;;|:.:.>≧trミイ'i/  i/メノソノ
                        (`|:.:ヾ辻.j ヽ    イj夕゙ソ:.:|
                        ゞ|:.:.i|´ ̄      弋ゾ/:.:.i!
                       /∧|!:.i|      '   /l|:.:.i!
                     //:.::.i:|!:l|\  ´ ̄  / |!.:i:!
           _,,.、.-ー-:-;-、、,,,_/∨/',|!:|!===、- :i.、   l!.:!i
         ,<´::::::::::::::://⌒`ニ二升;',;|!;;;;;;;;;;;;`i 「::レv;.|!/_,,.、-ー-、、,,_
         i:::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::',:::::/:入;;;ヘ;;;;;;(C;;/::|l;i/:::::::::::::::\\::`ヽ
            l:::::::::::::::::::{ {:::::::::::::::':,:::::∨::( _)ヾニ二ソ<ノ( :)::::::::::::::::::::\\::::\
         ',:::::::::::::::::::i !;;;;;;;::::;;;;;;;;',;;;;;;/    `"''ーv-''´  ヘ::::::::::::::::::::::ヾヘ::::::::〉
          ヾ;::::;:;:;:;:;:;ヘ!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/    _,,、-ー'"C`゙''ー-、_\:::::::::::::::::/:/:::::/
           ソ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;/   ,,/   クハヾ    ヾ ヽ::::::::://::::::/
           /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;/  /        i:!     } .}::::::`':::::ノ
            /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;∧\;;ノ:Q≦゙    \、_.   i:|  /i  /´7:::::::ヘく
            /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::/ ヾ:i:!::::  \  ゝ、 \\   ノ:/ ./ /:::::::::::::::{
           /;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:/   ∨ヽ:::  `\ >、,,_ヘ;;i !/// /;;;;;:::::::::::::::i


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "またあそこか"
    と王は呟いた。

    大陸南西、赤の森を抜けた先の半島は魔の半島。
    邪神を信仰する国が支配し、
    黒い噂の絶えぬ暗黒の領域。

    "かの国、是が非でも討たねばならぬ"
    未だ戦乱の気配薄いその時勢。
    王はこの時、戦を決意した。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

632 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:16:34 ID:3AV26z/2


                                           __
                            r= -‐‐-=.,_      /    `ヽ.
                          厂又 ̄  ,. - _ `'‐-.  /      !
                        r‐‐イ 二__ /  /     `〈―‐- .,
                       i /  .,_ /  / /  /     、 `ヽ
                       イ!   ‐7   i //  /  /    \  \
             |\        i |  \\|   i L_/i ノノハ  |    ト  ヾ   ヽ
              \ヽ、      〉i  ヽr ┤  !ハハi`ヽ、リ', ii  i    |   ヽ、 ',
            エ= 、ii  __  く i ミ/k |   i イT7z、\レ^! ハ  /i ヽ i ヽ |
             └‐--ヽ L__`丶〈V ヽ と|   ', くし'/   ヽレ'ハ, / i  i |  ii
                 i!ヽ、  ̄‐-≫v ヽ‐i    ', ゙´     ,.-‐レレイ  /i !  i!
                 └===≡二/ヽリノ ',   ',     イ:勹/ 〃v/ i /
                      _,. -/   ヽ    ' ,丶.   ヽ=/   ヽ レ'
                      (,.-‐‐-.,`ヽ, ヽ    !  `  / ヽ   ヽ
                 __  /; ; ;//;_;_;_ヽヽ.xヘ  i..-‐'´    \   ヽ、
              ,. '´; ; ; ;/゙´; //;/; ; ; ; ̄`'ヽ. ',  |        `ヽ.  ヽ.
             /; ; ; ; ; ;/; ;, '; ;/ ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ヽ', |          \  ',
           / ; ; ; ; ;/; ; ,:'; ; ;/; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;〈!            ヽ !
         /; ; ; ; ; ; /; : ; : ; : Y;-;‐;‐;‐;‐;-;-;-;:, : ; ; ; ; ヽ            i/
         ヘ; ; ; ; ; ; /: ; : ,': ; : ;i: : : : : : : : : : : : : `': 、; ; :}
          〉; ; ; ;::/; : ; :;; : ; : ;|: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ; ;!
         ,」; : ; : ;i!; : ; ::;:;: ; : ; :i、: : : : : : : : : : : : : : : : : ii


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "御婦人よ礼を言う"
    "我は今、かの邪神と戦う理由と決意を得た"

    王はそう言うと身を翻した。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

633 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:17:30 ID:3AV26z/2


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  l: : :l: : : l: : : :l__l: l_リ     ´  -ニニヤヒ_ l`: : : :.l'"´ィ''"   ノ ./ : : : :.\
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    ヽヽヽ: :ヽ:トキf=rネナョュ      ‐ゝ‐''"    l: .;イ/ f´-‐, ィ'":: .   :: : : : .: : :ヽ
 _,, -‐ヽ、ヽ、: :ヾ、 ゝ乂_j艾               ノノノ >'"´:: : : : : : : : : : : : : .   ヽ
 `゙'<.  ヾ ゝ : ヘ       ノi         /" /"´:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ
     ` ー---+、l.〉      ヽ          ,イ:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l
          |: リ.人      _ _       ノ l:: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : l
          |: '"l: :.>.、     -     ,イ.  l:: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.l\: : : : : : : :l
          |: : l ヽ: : : :>..      <    lァ:: : : : : : : : : : : : : : : : : : :l  \: : : : : :l
          |: : l  ヽ: : : :f'<|>-- ´     /:|:: : : : : : : : : : : : : : : : : : :l    ヽ: : : : l
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♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "待て人間よ、どこへ行く"
    "我は恩をまだ返しておらぬ"

    王は答える
    "我は利のために戦わぬ"
    "ただ我が剣は義の為に"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

634 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:18:58 ID:3AV26z/2


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       /  :::::::::::::::::ヽ、     /: :r/: :--` ヽ  /:::::::::-`       /::::
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     /   :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/       ノ ⌒j     /:::::::
     i    ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ    / /    /:::::



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    立ち去る王の背に怒声。

    "待て! 愚昧なる人間よ!!"
    "エルフの首長の命をなんと見る!"
    "我が命は貴様の満足で払えるほど安くは無い"
    "貴様は礼を受け取らねばならぬ"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

635 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:20:07 ID:3AV26z/2


        __
      / ̄ ̄ ヽ、   _ -── - 、 _  _
     /       >''´  r─ - 、   >-、 ヽ_
    '     _,, イ  ̄`  '´       ヽ-── V`i
        / -=          ヽ   \ーイヽ ト、
      r''´彡-' ='        ヽ \   ヽ ノハ >
     // / イ   ィ  i    、  ヾ.ヘ   V'´/ .V、
     //  / //.ァ/ /  ハ ト  .ヾ   ハ    V / Y ヽ
     iハ /_ /彡イ./i ハ  i ヘ .|、 ヽ \  i    .V 彡iイ
    r-'ヽ V:/i ノ ハ i.l ヽハ、 >- -、|    ヒ/ トi
    / コ 人 k ヽ ィ|-|-、ハ.  V'´ _ =-≧、j  i  .iヽ / /
   ./  i_ノ ヽソヘ/,ィニニ,i   ヽ ィiて冫ア   .l  .レ イ
   |    ) /  il、´ハ心ヒ      廴ノ .|     レ_ノ
  ∧ ,-、 i /   ハヾ 'ー'       、、、 |    |\
  ト< /-、  / | .ト   ノ        |  i ∧:::::\
  i::::::::::ヽK>イi  i |  \   _ _     ノ  l ./i:::ヾ:::::::ヽ
  ト:::;;;;;:::::::::イ .l  l |   > 、      / |  .| ∧:人ヽ::::::}
 ノ::::::::::=-:::/i ハ Ai ̄ ̄ ヽ  >  _/__.l  .i/ ハ::::トーイ
./::::::::::::::::::/ r-''`V ヽ::::::::ヽヾ:::'-├, ̄─-┤ /i il ヽ:::\
{::::::::::::::::::/:i::::::ヾ \:::::::::::::::: ̄ ̄ノ/| |:::::::::::| イ::::| |入 \:::ヽ
:::::::::::::::::::i |::::::::::::::::::>:::::::::::::::/::::::: //::::::::::::i/::::::::\\:::=- 、
:::::::::::::::::::H::::::::::::::::::/:: /:::::::::::::/::>==ヘ::::::::::::::::::::::::: >/ー-、
:::::::::::::::::::|::::::::::::::::://::::: >''´ ヽ   >ヽ:::::::::::::::::::::::/:::::::::::::



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    王は振り返ると膝をついた。

    "これは失礼をした"
    "ならば御婦人の手布を頂けぬだろうか"
    "貴女にミンネを捧げることを我が誉れとしたい"

    突然の王の求愛にエルフの切れ長の目が
    満ちた満月のように開かれる。

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

636 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:21:49 ID:3AV26z/2


                      `ヽ
      7>=ミⅦ  } ヽ.      `ヽ
    彡彡≧ミミⅦ廴} ハ.ゝ,       '
 、 _ ィイ三ミ イ>/  ̄  ̄7
 フ7彡イ /≦ミ//   {{ //L
./イ川イ彡彡イ //廴人Y,/ilく_  `フ7
 }ハ彡イ三ヲ.//  O} ト、  ̄ >ヲr",
 イ彡川三ミハ{      ノ  ト=イー"
  //ノイ彡彡.ハ,,_.ィ'¨  人_!
 {ハイ彡彡ノ_|__,,.ィ':::{{  |ト、
   ノハシ  {ヘ  ̄ ̄`>.、 ̄辷}ヒゝ、_
   ̄" / ̄ `\  ////    ̄`>、≧:.、.
     /      \////           ト、
    {{       }}}ハ/             >、
     V      ノノノ              イハ}..
     ト、三三三彡ハ}           /::::::::Y }
   ハ/V/ ̄ ̄ 人}/\         イ \::::ノ}}
   /  \   / \//  >、 _ イ´il il 巛>>イ
.  人   /\/7   ー 、:::::/7ハ>、       {
イV/..フ77 //       \//イハハ      |
  \ {{O}}ヘ         }}イ::::::::::} }       |,,.



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    驚くエルフに王の騎士がカラカラと笑う。

    "エルフの尊き方よ、我が王に惚れなさるな"
    "我が王は御婦人に困らされると"
     すぐにミンネを捧げて誤魔化してしまう"

    "そのお陰で王に惚れた婦人は
     両の手・両の足の指でも数えきれぬ"
    "我が王は当代一の伊達男よ。"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

637 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:22:56 ID:3AV26z/2


                                 |::::| |
                                 |::::| |
      7>=ミⅦ  } ヽ.                    |::::| |
    彡彡≧ミミⅦ廴} ハ.ゝ,                  |::::| |
 、 _ ィイ三ミ イ>/  ̄  ̄7                  |::::| |
 フ7彡イ /≦ミ//   {{ //L               |::::| |
./イ川イ彡彡イ //廴人Y,/ilく_  `フ7             |::::| |
 }ハ彡イ三ヲ.//  O} ト、  ̄ >ヲr",              |::::| |
 イ彡川三ミハ{      ノ  ト=イー"                |::::| |
  //ノイ彡彡.ハ,,_.ィ'¨  人_!               |::::| |
 {ハイ彡彡ノ_|__,,.ィ':::{{  |ト、               |::::| |
   ノハシ  {ヘ  ̄ ̄`>.、 ̄辷}ヒゝ、_           |::::| |
   ̄" / ̄ `\  ////    ̄`>、≧:.、.          |::::| |
     /      \////           ト、      |::::| |
    {{       }}}ハ/             >、    |::::| |
     V      ノノノ              イハ}..   |::::| |
     ト、三三三彡ハ}           /::::::::Y }     |::::| |
   ハ/V/ ̄ ̄ 人}/\         イ \::::ノ}}     |::::| |
   /  \   / \//  >、 _ イ´il il 巛>>イ _  V/イ
.  人   /\/7   ー 、:::::/7ハ>、       {  {三三≧{O]≦ニ}
イV/..フ77 //       \//イハハ      |   r-Yニニヽ ̄
  \ {{O}}ヘ         }}イ::::::::::} }       |,,.イ{ハ_ノー-ー}



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "だがそれこそが我が王"
    "無私の極み、騎士道の体現者"

    "だがエルフの首長よ知れ"
    "ミンネは我ら騎士にとって至高の物"
    "そのために我らは命も賭ける"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

638 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:23:47 ID:3AV26z/2


                           _,..-‐''"´  ̄ ̄ `゙゙''ー- .,,,____
                           ,.-'"               - 、゙ニニ==‐
                       /                    ゙ヽ、゙ヽ、
                      /           i i i i、        ゙ヽ、\
                     /    /        l | | | ゙!゙!、ヽ     ヽヽ, ヽ
                    /   / /  /      //! .!| !. ゙i lヽ,ヽ  、   ヽヽ ゙i,
                   /   / i  /      //_i /_!|_r、,l |-゙、゙i、 ゙! ゙i  ゙i. ゙、゙i___ ,
                    //  /   ! /      // // l 「U´i |  ゙i゙!゙、 .! !  | |i |/
                 //  /   |i     / //_,〃_ i/   .!|,.-‐゙i!''i | |  | iレ!|
            ヽ─=='==--'- .,||   i_,ブ/ /   `/     i!_,.ィ;┬,|''i .!| ,' / i!
             `ヽ、,._ ヾヽ`''iー、゙i, -‐i '__,,.ィ''゙;;;:Tヽ'    ' '゙-- ' |/! /| / /
               //゙'''- .,_‐-`-、 ゙、  i、  `゙ー''"      i    /|i,イ //
                 〃  // .i`゙'''- .,,_ヽヽヽ,、          ヽ,    ハ |´
              〃   〃 /  / ノ /::i゙iヽ、ヽ、_            /    /.| `
               /   /_,.ノ,..-'ノノ/::::::ヽヽ::ヽ        ー-‐ '  ,/ i |
          __/__,..-─へニ三'"ノ::::::::::::::ヽヽ,. \         /、 /|
         / へヽ、'"´.:.:.i.:.:.:::::`ヽ、ヽ::::、::、:::::.:.:ヽヽ, ゙ヽ、   ,...、_,/,.|,Lヽ'___
        ///´   ヽ,ヽ,.:.:|゙i.:..:.:::::.ヽ;.:.:::::::ヾ、,.:,.=、v`─'‐'─‐ァ‐'''''''''フ''''二二つ ゙ヽ,
       ノ//      ヾi,::ヽ;::::::::::.:.:゙i:、.:.:.:::::::|i.::/       'ー''"´/ ̄___.     ゙i
      r'/;;i       ゙、゙!:::::i.:.:.:.:::::.:.|.:゙、.:.:.::::::V     ヽ    / /____ ヽ,,,,.-  |
      |l;;;/l        ゙i,::::|.:.:i.:.:.:..:.|.:.i゙!;::::::::/     |゙''┬-`-'"´i |  |iヽ ヽ,  .!
      |l;/ .!         l,.::i::::|:::.:.i.:.:.:.:i|.:.:.:::,'     .!:::://;ィ:::i::i_/   !|  `'''  |
      ||!  i         ゙V;;;:;i;;.:.ノ_.:.:/_ヽ,_/     l、_/,i/ィレ=/     |     |
      i;|   ゙i,          ゙、-= '´゙iV/.:.:`/      |7‐'".:.:|/::/      .!      .!



♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    エルフは薄く笑った。
    "欲に塗れた人間には珍しい"
    "快い者どもよ"
    "なればこれを持って行け"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

639 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:24:56 ID:3AV26z/2


.        |トトi\|               _
       |>>\r|               | : |
       |//\r|               | : |
       |7777r|      .         |:::::|
      |\7 /|     .         |:::::|
      |∧ヽヽヽ|      .          }》《{
      |  ゝハ/t|      .           |::ll::|
     」 〈  ヘノ|               |:;ル:|
     | `ヽ、ノ 'j、            _______〉ハ〈____
     | 7  `ヽ、ヽ       ./ ̄ 三ニ=くfYf,>=ニ三  ̄\
    ,'/ ハヽ、ヽ ヽ 〉     | / ̄`Y⌒)lYl(⌒Y´ ̄\ |
    ,'〈 リ ヽ ヽヽ〉    └'     Ⅵ〈八〉Ⅳ     `┘
   ,' ハ リ    〉 〉           |八Λ八|
   ,'   〉 リ    ヽ、 .        [_ノ{ }ヽ_]
  /  ´   /\,.イ´          |:;ハΥハ::|
∠____.イ /zzノ             |ヒ{(⌒)爿
  //ハ/  レkiイ             |:::/Υ.',::|
  /   νイ´ !               |/:::Π:::',|
 /  /  |  i|               |辷'' `コ|
./ /    ! i|                |:;.ィ不ト;:|
i/        | i|      .  .     |{>i人i<}|
        |  |       .  .     |: /Ц', :|
       Fi/〉     .         |〈 :::::: 〉|
       Eヽ k     .        |Λ__Λ|
        `ヲ i|


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    それは太陽の激しさを秘めたような剣だった。
    "太陽の光が闇をどこまでも引き裂くように"
    "決して断てぬ物のない魔法の剣カリブルヌス"

    それは月の静けさを秘めたような剣だった。
    "水面に映る月にいくら石を投げようとも壊せぬように"
    "決して欠けることのない魔法の剣シャスティフォル"


    "無私の王には太陽の剣を
     快活なその騎士には月の剣を与えよう"
    "これぞ我がミンネの証"
    "よもや我が愛を受け取らぬはずはあるまいな"

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

640 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:26:13 ID:3AV26z/2


                                   l i::::::i l
              ,,、 __ _ __.         ___   l i::::::i l
          ノ⌒ノゝ´: : : : : : :.:.``': 、  /´ ̄`\. l i::::::i l
         />/: : : : : : : : : : : : : : : : ヽ/      )l i::::::i l
       ,γ/;´: ´: : : : : : : : :,:': : : : : : : : ⌒ ヽ.      l i::::::i l
      /::ソ:,': :´: : : ,: : ': : : ,:': : : : : : : : : : : : : :.、ヽ.   | i;;',;;i |
       {γi,'::::´、 ´: : : : : : ,': : : : : : : : : : : : ,: , : : : :',   | i;;',;;i |
      ゝγ:丶`:.、 : : : : : : i:: : : : :l: :l .l ,l: : : } } |: : .i.  | i;;',;;i |
     ((:〉i::::::::`::.:.:':.:.、: : : :i:. ! i: : l: :i! i! i!: ./ /i il : :.:} |..i;;',;;i..|
      ゝ',`、:::::::::、::.:.:,、ー、,i:. i: i:.: li>ト、i,_/ / i il: : /  i: i;;',;;i :i
   _ ,';;;;;;;;、,,',::::、:::::::`./(´( i:. i:. !:. ii///ノ / /!.:!:./   | :i;;',;;i: |
  ,´;;;;;;,';;;;;;;;;;;ゝ:::::、::::::!、ヘ  i:. i;. i;. i`ヾゞ, ////     | :i;;',;;i: |
  i;;;;;;,';;;;;,;';;;,' ヽ、;;、ヽヾ`ー  i:. i; i;.:l    '、/       | :i;;',;;i: |
  l;;;,';;;;;,';;;;;,'  γ)      i:. i;.:.i;.i      ゝ       .l ∧;∧ l
  .〉;;;;;,';;;;;,'    /       i:. i;.:.:il! `` ´       |/ヘ.¨/ヘ|
  ,';;;;,'ヾ;;;ソ   (ー-- 、     l:. i;.:.il:!. /            l人_ili_入l
 {;;;;{      /´ ̄`1T_ニヘ |:.l!l:.:il:l´ヽ           |i⌒| |⌒i|
  l;;;;;',     /:::::::::::::| |:::::::::`i' |!;l!:li::|!             |i. ̄Y ̄.i|
  ;;;',;;;   /´ ̄二ニヘ入::::::l へ:!/─、         |;;( .A. );;|
  ;;; ;;;;;,_ノゝ三二ニゝ;;;:| |:::::i へ、`> (|          |;;〉<O>〈;;|
  ;;;; ;;;;;/::::::::::::::::::::::::ヽヽヽヽ_>  :| ,ヘ、_     //;Υ Υ;∧    _,,,、ヘ
  ;;;;;∥;;;;;::::::::::::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:\\\ ̄``ヽ〈二ニ>、、,,_/∧)〉()〈(∧ヽ、 _,<.ニ二〉
 ;;;;;;;ソ;;;;;;;;:::::::::::::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\\\/ヾヽ``''-、、,,_ ニ二ニ∧∧ニ二ニ_,,,、-''゙´´
 ;;;;;//::;;;;;;::::::::::::::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:\\\ ノソヘ    ``二ニ}{;}{ニ二´´
  ;;;/:::::::;;;;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::〉 〉 .:) ((: : ヽ   (/;;;;;;;;;;;;;;ソヽゝ
  i::::::::::::''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /::ノ: : : : : : : ',  {;;;;;;;;;;;;/゚   )ソ
  l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/./:/〈: : : : : : : : }  }二/o`ヽ   }
  l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::{_{/∧ヽ:ヘ: : : :.ノ、_/ /_   ヽノ
   〉、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::∧〉ヾヽ∨ソ: //  ./o  `ヽ }


♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

    "感謝致します我がミンネ"
    "必ずやかの邪神を討ち果たし"
    "我がミンネに平穏を与えましょう"

     かくして王剣は王の手に、騎士剣は騎士の手に渡った。
     これこそ王剣の秘密。
     この時こそが王と邪神の戦いの始まり。

     そしてその戦いはまた別の物語―――

♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪:*:・・:*:・♪・:*:・・:*:・♪

641 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:27:24 ID:3AV26z/2


                           ┌────────────────┐
                           │                          │
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                   │                                    │
           ┌───┼────────────────────────┼───┐
           │      │                                    │      │
           │      └────────────────────────┘      │
           │                                                    │
           │                                                    │
           └────────────────────────────────┘


                ┌─────────────────────────────────
                │
                │                               , ^  ,
                │                                /     > ,
                │                             ,.:'::::ヽ_   _ _   > ,
                │                         /::::::::::::::)  ¨ミ丶
                │                          ,':::::::,<::¨::>    ̄          `::...、
                │                            /::<>‘_:_:::( __ __ _ ...........::::::::::>
                │                         ,<≫.‘´::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::.."......
                │                  ,<≫‘´   `ー―::::―――::::::::――::::一::":::::::::::::::::::.
                │              ,<≫‘´         ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                │             ,<≫‘´
                │          _r<≫‘´
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────────────────────────┐
    l:.ハ:.:.:\:.ヽヘ ̄´   i  ` ̄ //>.:.:,、l , -‐ ― 、    │
     ' V:l:.:.トヾー`  、___   イ- ':ハ//    ./    .│
      ハ:ト:l ヽ:.\        //l:./ /    ,, ''    ......│
          ヽト:.ヽ、    /lヘ' , - '    f      ......│
          /´「 .i ` ー '  .i / /    ノ        .│
         /  i  l     /´  {    l __     .....│
        ,/   l/    /    ‘  , .lヽ、 ヽ      .│
      /./  , ヘ ヽ  _ .. -'-、__  -- '  .i  `、\   ..│
 , - ''  / /  / ./   _ /  /   l   ヽ  i  〉    │
/      ' ´    /  /´   ,ィ   /ヘ.   ヽ l ./  ......│
────────────────────────┘

642 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:28:14 ID:3AV26z/2


  ┌┐   ┌──┐       .      ┌┐
┌┘└┐ │┌┐│    -‐''""''ヽ .    ││      ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
└┐┌┘ │└┘│ ┌∥      ヽ─┐││     <  ヒューヒュー!  │
┌┘└┐ │┌┐│ └∥       〝,>┘└┘      \_______/
└┐┌┘ └┘││   ∥  _,.:--'´    ┌┐
  ││       ││   ∥./~       └┘
  └┘       └┘   ∥     ,   ))           ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
       ,、      ,、   /'ll__/ ヽ             <  いやぁ。良い声と曲だった! .│
      / ヽ__/ ヽ/ _∥   _  ヽ.    ∧___∧    \____________/
    /       /  ´ ∥ー/  `   l ロ. / _    _
    / ´ 、__,  ` |.    ∥∨      ,! || | l--l `
   _l    ∨    ヽ/ ̄)( ̄ ̄`"::::ノ (⌒ヽ, ..ヽ/   ,      ./ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
  ( ヽ_        /   /ll `'ー、....::ノ ∀\/ー- /`l  ヽ    <  大陸一の美声! 少ないけど取っておきな!. │
   ヽ、       ,ヽ:..:ノ ∥   '::::|⊃  iー- l (_〕i__      \___________________/
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              /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ト、:.:.:.:.ハ: }:.: :.:.: : ヽ `
              i:.:.:.:.:.:.:.:.ハ-l-ヘ:ト:./l7¨l':/:.:.ヽ: :i     どうもどうも。
              l:.:.:.:.:.:.:.:l Xl`ヽ ' r-、'l:.: ,: :l: l     やー、どうもどうも!
.              l:.:.ハ:.ト、ヘ ___`__ l,ィ: :/V
        r 、 iヘ   ヘヽl:ト.ヽヽ'__` 7 イ レ'
      r 、 ヽヽ l .i    ヘl:`´ヽ.丶、__ .>'/         ,-、 iヽ ._
     _ \\〉 ` l /7 `ヘヘl` ー- ィ           ヽヽ l l .l l
     `、`ー`    ` /,、-、....--l    l,、          , 、 i ' l// ,‐,
       ¨¨l  ヽ、  ノ'  ヘヘ   ヽ--、 ,ヘ`ヾ 、-、     ヽヽ、  `'/
         ヽ.   i´   ヽヽ   ` - ..ノ   i i ヽ      ヽ ヽ  i
.          l   l   、  〉〉      i l   l l ヽ     `/  , '
.          l   l   ヽ//      .l l  ヽゝ ヽ    /  /
          i   l  /ヘ/ノ       .l l    .l  \  /  /
          i    l ∧¨ '   , ---_」 `ー-、 l   `/  /
         i    l/  l , ' , :-::::'::¨::::::::::::::`::>、ヽ、  '    /  ──────────────────────
         l    .l   l/ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::l ' ノ ヽ    ノ       詩が終わると宿は歓声で包まれた。
                                          観衆はこぞって吟遊詩人に金銭を渡していく。
                                         吟遊詩人はそれに満足気な表情で感謝を述べる。
                                        ──────────────────────

643 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:29:12 ID:3AV26z/2


        / /: :/:/: /: :/: : /:/!l: : : :l: : : :l: : : !: : : :i
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           l: :.l: :l: :l: /: :.//:.! l !: : :.!l: : : :ll: : :l: : : ::}
          l: : l: 'l: :|:| |: :.| l: :! l l: : :.l l: : : l l: : l: : : :l
        l: : :l: :l:l:l l:.l:l:.l l: :l  ! |: : :.! |: : : :l !: :l: : : l
       ノ::/^l.:.:l:!:l斗=ミ |__|  | |____.! |_____| |: :l: : : !     人間と、エルフの…
      /: :{'¨'l: :l ,.《 >しリ    斗=ミ.:   l: :l: : ::l
     /: : : :.>、|: :l、 ..弋夕       >しリ 》  ./: /^i:/{
  //: : : /   !: l.        ,   弋夕 、./: /^/: : l
/://: ://   l: : !                /: :ムく: : : :ヽ
: :/ /:./ /:{   ll: : :ト、     _       //:/   ヽ: :lヾ:.、
:/ /:./ /: :.!    |l: : :ヽ`ヽ、       ,. イ: : :/     〉::ヽ \
 /: / /: : ∧  ヽ トr ゝ\ ` ー ' "´ //:/      /: : :ヽ  \
/: :./ i: : :l: :ヽ ∠八      -‐∠:∠:::/  ,.   /: : :l: : :',   \
: : :{  l: : :l: : : ',fr ⌒ミー 、      ノメ、 /、  /: :ィ: :l: : : '.






    / ̄ ̄ ̄\
   /        \     王剣と騎士剣にそんな謂れが…?
  /     _ノ '' 'ー ヽ     創作か?
  |    (ー)  (●) |    いや、しかし…
  \  ∩(__人/777/
  /  (丶_//// \    ──────────────────────
                          自分の父母より以前。
                   統一王がエルフと関わり合いがあるという詩に
                     梨花は不思議な感情を持て余していた。

                    そしてやる夫もまた困惑を隠せないでいた。
                     王剣と騎士剣は王国民ならば誰もが知る
                          王国の象徴の一つだ。
                       だが、その出自は誰も知らず。
                         仮説だけが存在していた。

                  それをこの吟遊詩人はエルフから手に入れた物だと言う。
                        一笑に付すことは簡単だが、
                  やる夫は真実であるという可能性を捨てきれないようだ。
                  ──────────────────────

644 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:30:15 ID:3AV26z/2


                  /::::/::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::i::::::´ ̄ヽー、
                     /:::::::/::::::::::::::/:::::/::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::ハ::ヘ
             /⌒ヽ   ,':::::::/::::::::::::::/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::|::::|::::::::::::ハ::::',
          |   .}   !::::,イ::::::::::::::/:/::::/:::::::::::::::::::::::::::::::,'::::|::::::::::::::::!::::|
         ノ    ,'   |:::/.|::::::::/::::l、l:::/|/|::::::::::::::::::l::l::::/::::::|:::::::::::::::::|::::|
        / , -‐く   |/ |:::::::{::::::l/lヘ  |::::::::::::::://::/ |:::::,'::::::::::::::::::|:::|
      , -‐ '´     \    l::::::ハ:::::| ‐-、\!:::::::::::/__!/_l_:/_::::::::::::::::::|/    よっ!
       /     _    \  ヽ::|::lヽ:|   ` Ⅵ:::/´ ィぅZマく|:::::::::::::::/::,'     俺の歌はどうだったかい?
    /  -ニ_´__`ヽ,    }   ヽN`:ト!      !∨   `ヾン '|/::::::::::/::/
    i          ̄ヽ、./     |:::|     ノ       /::::::::::/;|/
   ノ   、___   `〈 ̄`ヽ  Vト、  、_`  __,  ∠...イ:::// ′
   !        `ヽ、 / ヽ  ヽ ̄ ̄ ̄イ、:.:.: ̄:.:.:.}  /-'l;イ:/
   ,'   ____    Y  ヘ    \  /| ` ー‐_'.. ィ´:::::/l/
.  /        `ヽ、_.ノ     ヘ    ヽ'  |` ー‐ ´  /イ:/
./     ___ノ=‐-     ヘ     ヽ !     /`ー--,、
       ,イ /            ヘ    ヘ ヽ、  ./    / |  ──────────────────────
                                       そんな梨花達の前に吟遊詩人が歩み寄った。
                                         近場の椅子を手繰り寄せ、そこに座る。
                                     ──────────────────────

645 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:30:54 ID:3AV26z/2


    /: : : :/: : : : : :/: : : : : : : : : :/ |: : : : : : |: : : : :ハ
    /: : : :/: : : : : : !: : : : : : :/: : :|  |: : : : : : :!: : : : !: ',
    !: : : : !: : : : : : |: : __√ ̄   ⌒ ヽ_!: : : : |: :|
.   !: : : : !: : : : : : |/    、         \: :.!: :!
 /\|: : : : |: : : : :! :|       ヽ     ,.    }V: : |
/   |: : : : |: : : : :|: |              __    ハ : : :|
\.  |: : : /|: : : : :!V  ==ミz       穴ト、 /: : : : |     いつもながら良い声じゃった。
  \.|: : / V|: : :.!            ん!リ  /: : : !: :|     リクエストに応えてくれてありがとの。
.    V:人 い\:|              必ソ  /: : :./: /     ほれ、色をつけておいたわ。
    }: : : \_                、    ん: :./∨
    |: :|: : : : :込               ハ: ∨!
    |: :|: : : :/ : :.\    `ー- 、_     人: : : :|
    |:八: : : : : : :.|. \         , ィ: : : :/|: |
   〃: :>‐、: :/:.!  ` 、    ,. <: : : : :./: ∨
   /: : : {   }/|     ` T: :.ん--、 /: : : |
  /: : : :.|   |         `/   人_ : : : |
_,/ ̄ ̄/   /         /   /::::::::::>┴- 、
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                           .  ´/  _.ヽ-― 、    ` ー 、
                          /  / --―7─ 、─ ヘ──< ̄ ̄`
                         ノ  /     ′ . :    '、   ヘ
                        /   /      l , ヘ/  / }  '.: . }
                        {   / .:/    /|/- ヘ: : /}メム  i、: '、
                        l :/. :/:    l ,彡;三 |/ ミ、 '.  j ゝ\    おっ。良いんすか、こんなに!
          {゙丶、            Vィ: :i:   ,、 { ⊂⊃___ r⊃l} /        毎度ー♪
           \  ` ー  _      ハ : : |: / ト! f ´` ー──ム  }′
            r`── __  `ヽ、    >: :|/ >   {: : : : : : : : : : | /
           ` ーォ    `丶、 \ /'"|: : :ゝーヘ   \: : : : : : //  __
             /       `  >´ ̄丁丁  >─->- ´∠ - ´__ノ
            ゝ─ィ     / ./    l:.:.:| /     ヽ, -っ __>__
               {__/    {__ハ    ノ:.:/./     、  V-' /     \
                {  /// l    |:ノ./   、 、\ノノj-/   -、 i i }
                `´`¨ゝ'¨¨ヘ    l /   /77´l_)'´/  ォー<ノノノ
¨¨⌒ヽ、__            ./`¨¨¨¨゜.    V   /.//  !  '   /
、,}-、   ノ   ,   ̄` ー ´      i   /    /.イ´  l ., ′ ./
   〕  i    /                '. /   /'  i  /   ./   ──────────────────────
.  /  /   /                l    /   i /     ./    そんな吟遊詩人にナギは気前良くチップを渡した。
                                             吟遊詩人の表情がだらしなく緩む。
                                      唄っている時こそ、その美声から神秘的な空気を纏っていたが、
                                          終わってしまえば随分と俗っぽい性格の男である。
                                         ──────────────────────

646 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:32:04 ID:3AV26z/2


   / , : : : : : : :.i: : :,イ: .:.:. : : : : : :.l:.: : : : l: : i: l
  ./ /: : : : : : : :l: : :i l:.:.:i:.:. : : 、:. : lヽ:.: :l l: : :l :l
  i :/i: : .: : : : : :l:-:廴i_ハ:.:.:.:ハ;斗-+- l:' : : :.リ
  l/ l : .:.:. :ヽ: : :lムl--l、` V:./ ´l:ム--i、/ .:.: : /      そっちの黒髪の女の子はどうだった?
.    l .:./:.:.:. \ヘ` ト::イ` V '/ト::イ l7:.:.:.:. :.{
    l:.ハ:.:.:\:.ヽヘ ̄´   i  ` ̄ //>.:.:,、l , -‐ ― 、
     ' V:l:.:.トヾー`  、___   イ- ':ハ//    ./
      ハ:ト:l ヽ:.\        //l:./ /    ,, ''
          ヽト:.ヽ、    /lヘ' , - '    f
          /´「 .i ` ー '  .i / /    ノ
         /  i  l     /´  {    l __
        ,/   l/    /    ‘  , .lヽ、 ヽ
      /./  , ヘ ヽ  _ .. -'-、__  -- '  .i  `、\
 , - ''  / /  / ./   _ /  /   l   ヽ  i  〉
/      ' ´    /  /´   ,ィ   /ヘ.   ヽ l ./





                 /.:::::.:.:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.\
             / .:::::: .::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::i::::::::::::ヽ:、
                '.:i .::::/.::::::::'.::::!::::::::::i|::::::li:::::|i:|L::::l:::::::|:|
            |::l .::/.:::/::::|:::::| ::::!::」|::::::ll:::::||:||::::::|`」」」
            |::|.:/.:::/|.:.::|:::::|/l::::||::::::ll:::::||」zテ刈::::|
            |::l/.::://! :::|:::/::::::l::::||:::::」--´fz リ |i:::::|   凄く興味深かったわ。
           -=彡-‐ァ八.:.:|:::::l:;z云气     `¨ "|l:::::|   ありがとう。
           /〃 ̄}-、/ ヽL:::|《Vzツ'        八:::|
          ,// { ´二〉 〉、__|:::::|  ""   _  '  /|:::|:::|   でも、本当の話なの?
         // /|  - Y.::/.:::|:::::|> _       イ.::|:::|:::|   人間とエルフの今の仲を考えるとあまり…
         , '' /, {  .:ノ:/.:::/|:::::|ノ     Т..:::i::|.:::l::リ:::|
       -=彡: :{/ !  l:/, - 八::::.、     L .:::リ.:;::/:::::|
         ,八ノ//|  :l/    Y::::.      ヾ. ̄`ヽ .:::::|
        〃}// |  .:l      | ヽ:::.ヽ     Y、   i :::::|
        ノ乂,' /l    l     .| |}:::::::.、   | |   |.::::ノ
          / //l   |    /  ノ.::ノリ  ̄ ̄ ヽ |〃  ──────────────────────
           / //.:l     l   /  ~~          ', |     そして吟遊詩人は馴れ馴れしく梨花に近づいた。
                                            梨花は感想を答え、
                                          己れの内の疑問を出す。
                                   ──────────────────────

647 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:33:31 ID:3AV26z/2

                     /:::::::/::::::::::::::/:::::/::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::ハ::ヘ
             /⌒ヽ   ,':::::::/::::::::::::::/::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::|::::|::::::::::::ハ::::',
          |   .}   !::::,イ::::::::::::::/:/::::/:::::::::::::::::::::::::::::::,'::::|::::::::::::::::!::::|
         ノ    ,'   |:::/.|::::::::/::::l、l:::/|/|::::::::::::::::::l::l::::/::::::|:::::::::::::::::|::::|
        / , -‐く   |/ |:::::::{::::::l/lヘ  |::::::::::::::://::/ |:::::,'::::::::::::::::::|:::|
      , -‐ '´     \    l::::::ハ:::::| ‐-、\!:::::::::::/__!/_l_:/_::::::::::::::::::|/   もちのロンよ!
       /     _    \  ヽ::|::lヽ:|   ` Ⅵ:::/´ ィぅZマく|:::::::::::::::/::,'
    /  -ニ_´__`ヽ,    }   ヽN`:ト!      !∨   `ヾン '|/::::::::::/::/     なんせ俺はエルフ研究…
    i          ̄ヽ、./     |:::|     ノ       /::::::::::/;|/
   ノ   、___   `〈 ̄`ヽ  Vト、  、_`  __,  ∠...イ:::// ′
   !        `ヽ、 / ヽ  ヽ ̄ ̄ ̄イ、:.:.: ̄:.:.:.}  /-'l;イ:/   \人_人,_从人_人人/
   ,'   ____    Y  ヘ    \  /| ` ー‐_'.. ィ´:::::/l/      )   ガタッ!  (
.  /        `ヽ、_.ノ     ヘ    ヽ'  |` ー‐ ´  /イ:/       /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
./     ___ノ=‐-     ヘ     ヽ !     /`ー--,、                 \人_人,_从人_人人/
       ,イ /            ヘ    ヘ ヽ、  ./    / |                   )   バタン!  (
                                                    /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ




   -=7 :::::::::::/::::::::::::ヽ:ヽ:::::::ヽ:::::ヽ:\_
.    /::::::::::::/::::/:::: - 、::|:::|:::|::::::|::::::::ト、「
   /::::::::::::/::::/:::::/,イ/`ト、!:::|::::::|:::i::::}:::ト、
 =イ::::::::::::::{:::/:::::/卞マハレ'|::::i,≠|:::|:::|i:::|
  |::::::::::::/レ'i::::: レ' 込ソ |: /rぇ|:::|::{ レ'    な、なんだぁ?
  レi:::::::〈 ( |ト、:: j      レ!弋タレ'|:/
   }::::::::`トノ  V        〉  |:::!′
.    レ个、j         -‐ u./レ'     \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
 ,. --┴--- 、\      /        )                  >
/    --─一'´ ̄`ヽ‐ '         <  な、なんだお前!?   >
              \          <                 (
               }          /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
               /                \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
       /      /i                  )                  >
.       /       / }                 <  血だらけじゃないか!? >
       厶-─- 、 |  |                  <                 (
      \|     \|  |                  /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^
        |      |   |   \_人_人∧从_人_∧_人_从_//
                  )                   >
                 < 医者だ! 医者を呼べ!! >
                  <                 (
                  /^Y ̄∨ ̄∨^Y^⌒Y^YY^^Y^

──────────────────────
    吟遊詩人がなにかを言いかけた所で、
   宿は先ほどとは別種の喧騒に包まれた。
     乱暴な物音が響いたかと思うと、
     慌てたような声が耳に入ってくる。
──────────────────────

648 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:34:34 ID:3AV26z/2


       ,   __,,::-:..、__
     ./i__,,r''゙/::,,='''´:::.`''ヽ
    ∧゙、::i::〈::f::::::::_;;:-:::::、:.`:、  \人_人,_从人_人_从,人/
    /:::::ヾ;:!、:、i;::'ヘヽヽ;::::::::::、{    )   ゲボッ!?  (
   〈:::::/'!i゙  u. |::|. |:ト;::::::::〉  /⌒Y⌒Y⌒Y⌒YY⌒ヘ
   /:、{.-|ト、,,_ 、,,|;'-‐jノ'ミ:::、{
   ヽ;:l i┬r ヽ ''~付~`.},=〈         ぎ、ギルドマスター…
    .iヘ  ̄ ,!   l::::| !゙ビi.〉        ギルドマスターを呼んで…
    .{.「iu. ヽ!. u. {::::l _,,/
     `'ヽ.  iラー''^ヽi::l /               \人_人,_从人_人_从,人/
       ヽ、}::}‐'''゙ ノ:|/|                )   ガハッ!?  (
        .iヽソ.__ ,,/./ヽ、 __ ,,.、          /⌒Y⌒Y⌒Y⌒YY⌒ヘ
       ,.-|  __,,r‐゙‐''''i~`i. |. l,,,___
       /,f〈   | / ー{. l  | l  l;;r‐-゙、 、_
   ,,.::-///゙'ヾ、ノ/  r┴ ノ .ノ ノ./゙ ,,ィ''゙:::巛
-‐''゙:::::ヽ::/';:-y-;;/゙   .~''ラ`''`''゙~  ,,::'':::::::::::ミ     ──────────────────────
::::::::/;;r''::::::i¨ !゙     '    ,,x''゙::::::::::::::::::巛     その騒動の中心には必死に何かを訴える冒険者が居た。
;;;='''~..::::::::::::|. l  ''''  ,,:::--‐7'´:::::::::::::::::::::::ミ         顔面は汗と泥、そして血に塗れており
::::::::::::::::::::::::.ヽ.oヽ、 _x''゙:::::::∠.:::::::::::::::::::::::::::::巛         片目は潰れていて眼球が見当たらない。
:::::::::::::::::::::::::::::ヽ''゙ .ソ:::::;;イ::::::゙゙''''ー -::;;_::::::::i゙;ミ             片腕は引きちぎられ、
:::::::::::::::::::O::/::ヾ-{゙:::::/::l::::::,、 _,r、:::::::::l::::;:;l;:;::            着ている鎧と思わかしき物は
::::::::O::::::/..::::::::/l::::/::::|:::::/'^ii゙ `i|::::::|::::;:;l;:;:;          最早防具としての体を成していない。
::::::::::/..:::::::::/i .l:::/:::::l:::: /'::::|l::::||:::::l::;:;:;l;:;:;:;
                               それでも冒険者は治療の為に駆けつける人々をかき分け
                                       宿の奥へと進もうとする。
                               ──────────────────────

650 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:35:35 ID:3AV26z/2


         ____
       /     \
     / \   / \    た、タニグチ君!?
    /   (○)  (○)   \   どうしたんですか?
   |      __´___     |   しっかりしてください!
   \      |il!|!il|    /
   /       ̄ ̄    \




\/:/ . : : /// . : ://// .:// . : : : :/// . : : /:/ . : : :/.:/ . : : : : : : :/ . : : : : : : : : : :
 // . : : /// . : ://// .:// . : : : :/// . : : /:/ . : : :/.:/ . : : : : : : :/ . : : : : : : : : : : :
 / . : : /// . : ://// .:// . : : : :/// . : : /:/ . : : :/| :|:∧: : : : : :∧ : : : : : : : : : : :/
  \: /// . : ://// .:// . : : : :///| : : : :| |.: : : : :| | :|:l l : : : : ,' '.: : : : : : : : : .://
    \/ \://// .:// . : : : ://>| : : : :| |.: : : : :| | :|:l |: : : : :l  l_,: : : : : : : .:///
     \〃\/ .://l_;_;_;_;_/,彳三≧ 、| |.: : : : :| レ'|:l |: :_; : :|<|: : : : : : : .:////     っ!
      │// . : ://l : :| Ⅵ イ( _)\ト '⌒ ┘ |:レイ ,_;_;_;」三|≧;_: : : .://///
      │/. : : : //l : :|  ′ ∨ヾじ' 〃       ′=彳( __) ∧ \:///// :     駄目よ! 揺すっちゃ駄目!!
      '/: : : : : //l : :ト、  ミ=== ‐┘           ∨ヾじ ' : :) ) l〉>/ .: :     医者じゃ間に合わない!
        ',: : : : : .//l : | |丶                    ミ==‐-、_ノノ_/l/// .: : :     神官を呼びなさい!!
        ト,: : : : .//l: :| |                             ̄ ̄  l// .: : : :
        |l',: : : : .//l :| ト、          丶                    l/ .: : : :/
        || ', : : : .//l |: : .ヽ、         ┌--_┐         U     l .: : : ://
        || ', : : ///l:「\: : |`丶、      ` ー┘             /l: : : :///
      /|厂 ', : ///八: . \|    `ヽ、    `           ,  <´\l: : :////
     /  ′  ',/////∧: : . ヽ      \          , < _/   l: ://///

                                 ──────────────────────
                                 その冒険者はどうやらできる夫と知古の中のようだ。
                                   慌ててタニグチと読んだ冒険者に駆け寄ると、
                                        彼の身体を揺すろうとする。

                                  多少の医術心得がある梨花が慌ててそれを止めた。
                                     迂闊なことをするとショック死してしまう―――
                                 否、今生きてることすら奇跡的であると梨花は見立てた。
                                     薬草を取り出し簡易的な治療をし始める。
                                 ──────────────────────

651 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:36:29 ID:3AV26z/2


      ノ|      ,_、
      |リ,_._,- ̄ ̄___ `'"`-- 、
     /|`   /<´:::::::::::─-  \  \人_人,_从人_人,人/
    ./ ∧ r' r:::  _ ,  ::::::::::::ヽ  )   ゼヒッ!  (
   ( 」:::::  ,,、.r !⌒  リ ||  __ /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
   ./r  i'`"`  ヽ|  ._ |ノ | ,--、|
  /∧|`'  u.  ,/ ̄   ヽ::::::::::::: }
  / ´ |` ̄ヽ   r--リ   ミ r─, リ    で、できる夫さ¨ん?
  {.!  ヽ乍|.|    l:::::::| u.  ∨ '-.!     あ、ありがたい…
     ! `'ノ   '' {::::::     リ::/
     |  ヽ  u.  i::::l    __,,,ソ           \人_人,_从人_人,人/
     i  --──ノ::::|    ノ |::ノ            )   ゼヒッ!  (
     ヽ  ::::ァ-  ;; :.  /  |            /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
      .` }::}   ; :iイ    |へ       聞いてくださ¨い¨。
        .ソ.___./     ノ  \
          /|     /    ハ
        /  ハ    へ'    ノ  ``ヽ




        / ̄ ̄ ̄ \
       ノし ゙\, .,、,/"u\
     / ⌒ (◎)ヾ'(◎)u \    分かりました!
      | u  ⌒゙ ___'___"⌒ u |    後で聞きますから、
       \ u   `ヾ,┬、/` ,/    今は喋ってはいけません!
.       /⌒/^ヽ、 )__( ,ィヽ、
      /  ,ゞ ,ノ ゙⌒" ,  ゝ、
     l /  /      ト/.\\   ──────────────────────
                         タニグチの喉から不気味な呼吸音が聞こえる。
                         声を出すことすら激しい痛みを伴うのだろう。
                            その表情は苦痛に満ちているが、
                         できる夫にすがりついて何事かを訴えようとする。
                       ──────────────────────

652 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:37:21 ID:3AV26z/2


       ,   __,,::-:..、__
     ./i__,,r''゙/::,,='''´:::.`''ヽ   \人_人,_从人_人,人/
    ∧゙、::i::〈::f::::::::_;;:-:::::、:.`:、   )   ゼヒッ!  (
    /:::::ヾ;:!、:、i;::'ヘヽヽ;::::::::::、{  /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
   〈:::::/'!i゙  u. |::|. |:ト;::::::::〉
   /:、{.-|ト、,,_ 、,,|;'-‐jノ'ミ:::、{    だ、駄目です¨!
   ヽ;:l i┬r ヽ ''~付~`.},=〈     今…、今聴い¨てください…
    .iヘ  ̄ ,!   l::::| !゙ビi.〉   時間が…
    .{.「iu. ヽ!. u. {::::l _,,/        \人_人,_从人_人,人/
     `'ヽ.  iラー''^ヽi::l /           )   ゼヒッ!  (
       ヽ、}::}‐'''゙ ノ:|/|          /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
        .iヽソ.__ ,,/./ヽ、 __ ,,
       ,.-|  __,,r‐゙‐''''i~`i. |. l,,,___
       /,f〈   | / ー{. l  | l  l;;r‐-゙、 、_




          ____
        /      \
       / ヽ、   _ノ \        待て、できる夫。
     /   (●)  (●)   \ n     先に聞こう。
     |      (__人__) u.  l^l.| | /)
     \    |i||||||i|   /| U レ'//)
    γ⌒    ` ー'´    ノ    /
     i  j         rニ     ノ    ──────────────────────
                                 その何かは急を要するようだ。
                         効かない限りは治療もままならないと冷静に判断したやる夫は
                                   冒険者に続きを促す。
                           ──────────────────────

653 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:39:15 ID:3AV26z/2


          ____
        /     \
      /        \
     /  \    /  \     わ、分かりました。
    |    (●)   (●)   |     タニグチ君、言いたいこととは?
    \      ´   u /
    /     ⌒     \




      ノ|      ,_、
      |リ,_._,- ̄ ̄___ `'"`-- 、
     /|`   /<´:::::::::::─-  \  \人_人,_从人_人,人/
    ./ ∧ r' r:::  _ ,  ::::::::::::ヽ  )   ゼヒッ!  (
   ( 」:::::  ,,、.r !⌒  リ ||  __ /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
   ./r  i'`"`  ヽ|  ._ |ノ | ,--、|
  /∧|`'  u.  ,/ ̄   ヽ::::::::::::: }    あ、ありがとうございま…
  / ´ |` ̄ヽ   r--リ   ミ r─, リ    俺達のパーテ¨ィは¨全滅しま¨した。
  {.!  ヽ乍|.|    l:::::::| u.  ∨ '-.!     そして、アイ¨ツらが…
     ! `'ノ   '' {::::::     リ::/
     |  ヽ  u.  i::::l    __,,,ソ           \人_人,_从人_人,人/
     i  --──ノ::::|    ノ |::ノ            )   ゼヒッ!  (
     ヽ  ::::ァ-  ;; :.  /  |            /⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヘ
      .` }::}   ; :iイ    |へ
        .ソ.___./     ノ  \
          /|     /    ハ        ──────────────────────
        /  ハ    へ'    ノ  ``ヽ         吟遊詩人が創り出した静けさとは違う
                              不吉な沈黙の中で冒険者は命を燃やして声を搾り出した。
                               ──────────────────────

654 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:40:09 ID:3AV26z/2



  |\     /\     / |   //  /
_|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
\                     /
∠ 大量発生したアンデッドが――  >
/_                 _ \
 ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
  //   |/     \/     \|

            |\     /\     / |   //  /
          _|  \/\/   \/\/ |∧/ ///
          \                     /
          ∠  街に向かってきています!!  >
          /_                 _ \
           ̄ / /∨| /W\  /\|\  .|  ̄
            //   |/     \/     \|





             ──────────────────────

             梨花はこれまで、ある意味で平穏な日々を送っていた。
               騎士への恋心を秘めつつ過ごす静かな生活。

                     しかしそれを突然に破ったのは
              一人の冒険者が命を燃やして伝えた凶報であった。

             ──────────────────────

655 名前: ◆ja6Rq/0cd6[sage] 投稿日:2011/03/05(土) 21:40:49 ID:3AV26z/2






         ┌───────────────────┐
         │   #14 戦乱の先触れ         .了     .│
         └───────────────────┘





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